特殊兵装ヘルバイン

葉谷場 冬彦

第1話 昇格

ここはアルナード、地球から百光年離れた惑星です。

地球人はだいぶ進歩して異星間瞬間転移装置エルパーや様々なシステムを制定しました。


絶滅防止、超新星爆発や流星群への備えとして様々な惑星を開拓しています。


総合企業コメットは人造人間生成・再生装置グレープを使い、開拓者として多数の人造人間を造りました。


しかし、人造人間の製造は毎回成功するわけではありません。


成功作はステラと呼ばれ人間に似ていますが、

失敗作はバッドと呼ばれ他種族の特徴が現れたり、狂暴であったりします。


この事から、人造人間は基本的に地球外で製造される事になりました。


ステラは惑星開拓の労働力として、バッドは闘技場で見世物として観客を楽しませる役割があります。


特に性能や人気が高い者はヘルバインシステムに登録されます。


ヘルバインシステム登録者は老いる事も死ぬ事も許されません。

例え死んでも強制的にそっくりそのまま再生成されます。


しかし、死ぬ方法がないわけではありません。

十億マルスを貯めれば死ぬ権利を買う事ができます。


長い間、人類の目標の一つに不老不死がありましたが、もうそれは目標ではなくなりました。


ナビゲーター「骨折チームの任務はダストール六十体の討伐です。成功報酬は約三千万マルスが与えられます。それでは頑張ってください。」


荒涼とした風景に機械的な音声が上書きされる。


ダストールとは、どこからともなく現れる人類の敵アストールの残滓・垢・埃のような存在で、放っておけば増え続ける全体的に灰色で人型の化物です。


骨折損太郎チームは所属:ヘルロンド、ヘルバインランク:シルバー六名構成でメンバーは次のとおりです。

骨折損太郎【ほねおりそんたろう】、墓堀犬子【はかほりいぬこ】、霊前猿絵【れいぜんさるえ】、死神雉美【しにがみきじみ】、忌引猫奈【きびきねこな】、弔辞鬼丸【ちょうじおにまる】


忌引猫奈「今回は楽そうね」

墓堀犬子「そんな事言ってこの前の四十体の時はやられそうだったじゃない!」

忌引猫奈「そんな事ありませーん。いつもよゆーでーす」

死神雉美「・・・。そろそろ行くよ」

弔辞鬼丸「よし!ぶちかますぞ!!」

霊前猿絵「おー!」

死神雉美「損太郎、作戦は?」

骨折損太郎「特にない。みんな死なないように頑張ろう」

他全員「えー!!」


討伐は約10分で終わった。

今回は忌引猫奈だけが一度再生成された。


骨折損太郎(私達は死ぬことはないが、ヘルバインシステムに選ばれなかった者達はこいつらに襲われ死んでいく、だから十億マルスが貯まったとしても私は死ぬ権利を買うつもりはない。多分皆もそのように思っているだろう。地球にいる人間達は今日もこの様子を見ているのだろうか)


ナビゲーター「任務成功おめでとうございます。成功報酬三千万マルスが与えられます。千五百万マルスを消費するとランクがシルバーからゴールドへ昇格できます。いかがされますか?」


骨折損太郎は皆の顔を見渡した。


骨折損太郎「ランクアップします」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

特殊兵装ヘルバイン 葉谷場 冬彦 @haseba_huyuhiko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ