第18話
「どうぞ。こちらへ」
「……はい……」
少し躊躇いながらもリリーシア夫人は俺が差し出した手を取る。
リリーシア夫人と他の者にバレないように俺はパーティー会場を抜け出した。
そしてパーティー会場に隣接しているマイン伯爵家の邸宅の中の一室に向かう。
扉を開けてリリーシア夫人とその部屋に入る。
その部屋はジョシュアが俺がご夫人と一緒に過ごすために予め用意しておいてくれた部屋だ。
俺はジョシュアとは友人のためマイン伯爵家には何度も来たことがあるので邸宅内の構造は知っている。
部屋には大きなソファがありテーブルには自由に飲めるように飲み物の準備もされていた。
リリーシア夫人と一緒にソファに座ったがリリーシア夫人が緊張しているのは俺にも伝わってくる。
「何か飲み物でもいかがですか?」
「…え、ええ…でも……」
「少しお酒を飲まれた方が落ち着きますよ。そんなに怯えないでください。私はあなたを襲う狼ではありませんから、リリーシア」
「っ!」
俺に名前を呼び捨てにされてリリーシア夫人はビクンッと身体を震わす。
テーブルにあったお酒をグラスに注ぎリリーシア夫人に渡すと震える手でリリーシア夫人はそれを受け取った。
「どうぞ。お飲みください。気分が落ち着きますよ」
「え、ええ」
リリーシア夫人はお酒を口にした。
俺は笑顔でリリーシア夫人を見つめる。
リリーシア夫人の頬が赤くなっているのはお酒だけのせいではないだろう。
うるうるとした瞳でリリーシア夫人も俺を見つめた。
「あなたのことをレーリック伯爵は普段はなんと呼んでいるのですか?」
「そ、その…夫は二人きりの時はリリーと…」
「そうですか。私もあなたのことをリリーとお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「…は、はい…」
か細い声でリリーシア夫人は返事をする。
「私のことはエミリオとお呼びください」
「っ!…で、でも…それは失礼では……」
「とんでもない。恋人が名前を呼ぶのは当たり前でしょう。私は今夜はあなたの恋人なのですから」
「…こ、恋人…」
リリーシア夫人はさらに顔を赤く染めた。
「私もお酒を味わってよろしいでしょうか?」
「あ、は、はい。もちろんです」
俺はリリーシア夫人に身体をグッと近付けてリリーシア夫人を抱き締めるとその赤い唇にキスをした。
驚いたリリーシア夫人の手からお酒のグラスが床に落ちてカシャンと音を立てる。
「んふぅ…んん!?」
半開きだったリリーシア夫人の口内に舌を入れて探ると縮まっているリリーシア夫人の舌を絡めとった。
リリーシア夫人もおずおずとではあるが俺の舌に反応してくる。
「んぅう…ふぁんん…」
角度を変えながら深いキスを繰り返すと緊張で固まっていたリリーシア夫人の身体から力が抜けていくのが分かる。
キスの合間に漏れる息は熱い吐息に変わっていた。
俺は一度唇を離す。
だが身体はリリーシア夫人に密着したままだ。
「リリーの唇はおいしいお酒の味がします。もっとリリーを味わってもいいですか?」
「っ!」
甘く囁く俺の言葉にリリーシア夫人は熱情にうなされたような熱い視線で俺を見つめながらコクリと頷く。
俺はリリーシア夫人のドレスの紐を緩める。
今回は行為をした後に再びパーティー会場に戻らないといけないのでドレスを全て脱がすことはできない。
ドレスの紐が緩みリリーシア夫人の胸の部分に隙間ができる。
その隙間から手を入れてグッとドレスを引っ張るとリリーシア夫人の綺麗な胸がドレスの外に零れでてきた。
とても人妻とは思えないほど張りがあり型崩れもしていない綺麗な胸だ。
「とても素敵な胸ですね。食べてくれと私を誘っているようだ」
「そ、そんなことは…ひゃんっ!」
片方の胸に吸い付くとリリーシア夫人は短く声を上げて身体をビクッと震わせた。
もう片方も手で強く揉みながら刺激する。
「あんっ! い、いやん! そ、そんなに、あああっ!!」
胸を弄ばれたリリーシア夫人は甲高い声を上げる。
「あう! だ、だめ! やんっ! あはぁんん!」
「フフ、ダメだと言いながらなぜそんな甘い声で私を誘うのですか? リリー」
「そ、そんな、誘ってなんか…ひゃあんっ! あんん……」
「ほらまた甘い声で啼きましたね。リリーは男を誘うのがお上手のようだ」
リリーシア夫人は顔を真っ赤にして感じている声を聞かせたくないと言うように自分の口に手を当てて喘ぎ声を抑えようとしている。
「我慢することはありませんよ、リリー。もっと甘く啼いてください。私が欲しいのでしょ?」
「んんう! そんなこと…ぁんん…な、ない…んんんっ!」
「リリーは意外と強情なのですね。ではリリーが私を欲しがってないかリリーの身体に聞きましょうか」
俺はドレスのスカートの中に手を入れる。
下着をずらしてリリーシア夫人の下半身に俺の指が触れるとビクンとリリーシア夫人の身体が跳ね上がった。
「おや? リリーは私が欲しくないのになぜこんな甘い蜜をたくさん出しているのですか?」
「あふぅんん…ち、違うの、違うんです…あ、あああっ!!」
リリーシア夫人は耐えられなくなったように叫んだ。
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