CUT「愚痴（COMPLAINT)」

CUT「愚痴（COMPLAINT）」（１to 5）

　日常生活の断片にユーモアを（視聴条件・あらゆる立場からの愚痴をジョークとして笑いとばせる方）

①愚痴（ONE　SIDE）

　生まれたとこ？ちょっとわかんないっすね。森の中？。木のほら？っていうのかな。ちょっと記憶ないっす。言葉、そもそも知らないし。

　２人きょうだいだったと思うんだけど。今は１人で。なんか腹減って。今のうちに食っておいた方がいいのかなって、なんとなく思って。ふだんはドングリとか好きなんだけど。なんか最近あんま、なくって。

　いろいろ歩いてたら、金網のフェンス？の向こうからおいしそうなにおい、したんで。とりあえず入ってみたんだけど。生き物、建物に入ってて。なんも食わないで出ました。

　空、音がうるさいもの、やたら飛んでるし。耳、わりといい方なんで、ホント疲れますよ。臨時休園？臨時休校？公園の閉鎖？。ちょっとわかんないっすね。

②愚痴（THE OTHER SIDE)

　まさか、ゴミ出しに命がけで行く日が来るとは、まったく思っていませんでした。　　

山の中なので、冬の空気は特に澄んでるんです。寒いのでとりあえずコート羽織って。これまでは朝焼け見て、小鳥の鳴き声聞きながら。ゴミステーションに行く時間で、１日の始まりを感じていました。

　今は草やぶが風で揺れるるたびに、びくびくしていますよ。今朝、いつもの散歩コースで目撃情報があったので、散歩も中止しました。バスです。

　猟銃を持って警戒にあたる方も、大変でしょうし。雪が１度溶けたんで、山にもどって、なんとか食べ物、見つけてほしいですよね。

③順番（TURN）

　どうしてそんなに急ぐのかな？急ぐ必要、本当にあるのかな？って思います。運転手さんは、完全に停車するまで動かないでくださいって、毎回言ってるのに。停まらないうちに立ち上がるし。それでけがしたら、自分が困るのに。

　朝のこの時間帯、出勤する会社員の方や遅刻したくない学生さんがたくさんいるのに。挙げ句の果てに両替してなくて、うしろにずらりと列ができて、みんなイライラしたりしてるのに。

　路線バスに乗る高齢者の方。次第に早く動けなくなるつらさ。私も今、体感中です。でも明らかに登山やハイキング用の服装と帽子で、リュックを背負う方。山は逃げません。時間帯による周りへの配慮を、乗客の１人としては求めたいです（私は急いでいないとき、最後の方に降ります）。

④罪悪感（NEED)

　聞こえるとつらいんです。「ただいま、O型が不足しています」って。

ほぼ毎日通る地下の公共空間で。ひときわ大きい呼びかけの声。災害とか、病気の治療で必要だって。血液型は微妙に日々、変わるけど。

　一般的には６９歳までできる。無職になったとき、せめて役に立ちたくて、真っ先に考えました。でも今、服用している薬の関係で、できないんです。献血。

　最後にできるのは、臓器提供か献体かな。医学のために使ってほしいって、今は思ってます。血液検査を受けたら、臓器はまだ元気みたいなんで。

●アドバイス）絶対的な正しさの前に無力感で立ちすくんだら、音楽で耳を塞ぐか、脳みその妄想に逃げよう。その瞬間、生きているだけでえらい。とおばさんが褒めます。全然うれしくないだろうけど（笑）。

⑤ジレンマ（REAL ESTATE)

　不動産の折り込み広告を見ることが好きです。主に２種類。

　１種類目。たくさんの中古物件が載る大手不動産会社のチラシ。家の近くの物件が売りに出ていると、雪かきやバスの不便さが嫌で、高齢者夫婦が山の下のマンションに引っ越したと想像。

　２種類目。新築のマンションの広告。意識高い系の家具が配置された生活感ゼロのリビング（たまにおしゃれにテーブルセッティングされている例もあり）。窓からの美しい眺望。外車がばえるエントランス（家具、外車ともに売ってはいません）。本当にこんな生活、あるのかな？

　そして必ず行き着く結論。価格が高い。高すぎる。あっ、私が事故物件にしたら、少しはねだん、下がるのでは？。でもそれじゃ、私、住めないじゃん。

It's all a kind of joke!

END