そこはいつも優しい風が吹いている聖堂のような場所。

風景が脳裏に浮かぶような文章が好きです。

情景を大切に描いている文章が好きです。

情景を大切に描く作者は多分、普段見ている景色の中でも、そういった美しい風景を探して意識しているからこそ書き出せると思うからです。

だから風景や情景を描いてくれる作者がとても好きですね。




音を感じさせてくれる文章が好きです。

情景が上手く脳裏に浮かび上がると、波の音や、鐘の音や、風の音や、雑踏のざわめきなどが聞こえてくるような気がする時があります。

こちらのお話は風に揺れる優しい木々の葉の、サワサワとした音を感じます

図書館なんですが、聖堂のようなんですよね。

外国の女性が主人公だからなのだろうか



私は聖堂が好きで、聖堂の雰囲気が特に好きです。
何を言われずとも、静かに過ごすという暗黙のルールがありますので、
その空気に惹かれる人が訪れる場所なのかもしれません。
海外の街並みを見ていると、美しい聖堂が溶け込む美しい街並みに感動しますが、

日本にも勿論、教会や聖堂はたくさんあります。

町並みにはあまり合わないこともありますが、
逆に日本の街並みに突然美しい聖堂などが立っていると、
それもまた特別な場所のような気がして素敵です。

こちらの図書館の雰囲気が聖堂に似ていて、

知識を求めるために足を運ぶ図書館と
心の安息などを求めるために足を運ぶ聖堂と、

求めるものは違っても、何か自分と真摯に向き合いたい人間が訪れる場所という共通点があるような気もします。

波長が合う、二人の話だと思います。

全ての人がそうではないですが、劇的に波長が合う相手というのが、この世にはいます。

そういう相手に出会えたら、

すれ違いや、疑念、恋の駆け引きなどは多分無縁なのだと思います。

優しい風が吹く、聖堂のような図書館で、二人と一匹が穏やかに過ごしてる空気が大変魅力的です。