第2話

病院についてから色々と検査をした結果、普通の風邪と診断されて薬を貰ってから帰り道に食べれそうなものを買い込んで家に向かっていると歩きすぎて熱が上がったのか視界が霞み始める。


このまま歩き続けるのは危ないと判断して、近くの公園のベンチに座ろうと向かおうとした瞬間急に足の力が抜けてその場に座り込んでしまった。


『ハァ…ハァ…』


自分でも緊急事態なのは分かっているけど、身体が思うように動いてくれない。頭もぼーっとしてきて思考も少しづつ止まり始めてる。



どうしよう…どうしよう…



急なことでパニックになりかけていると、私の近くで黒い車が止まった。



「大丈夫か?」


『…。』


「ま、その感じで大丈夫なわけないよな。」



返事のない私を見下ろしながら立ち続ける声質からして男性の足元を見ながら息を整える。


『あの…少し…ハァ…手伝って貰えますか…?』


「あぁ。」


『ハァありがとうございます。私…風邪…引いてて病院の帰りなんですけど、…急に立てなくなっちゃって…申し訳ないのですかそこのベンチまで行くの手伝って貰えませんか…ハァハァ』


息が上がるのを何とか抑えながら男性の方に伝える。


「別に構わないが。家まで送らなくていいか? ?」


『だ、大丈夫です。少し休めば帰れますので。』



気にかけて貰えるのは有難いけど、そこまで迷惑をかける訳にも行かないのでお断りをする。どうせここから歩いて数分のところだから少し休めば帰れるだろう。


「少し触るぞ。」


そう言うと、男性は私のことをお姫様抱っこをして持ち上げた。

急なことに驚いて反射的に男性の首元に腕を回すと香水の匂いと微かに煙草の匂いがした。


『肩貸していただくだけでも…』


「身長差があってこの方が楽なんだ。絶対落とさねぇから大人しくしてろ。」


『…わかりました。』



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