あなただけじゃなかった

金時まめ

〜あなただけじゃなかった〜



鎧を着たのは 

あなただけだと

ずっと 思ってきた



守るために


あなたにだけ 戦わせてしまったと


ずっと 自分を責めてきた




もうひとりで苦しませるわけにはいかない


もう暗闇にひとりぼっちにはできない


あなたの“鎧に隠された真実”を信じて


わたしは 必死だった


そして


こんなにも 長い時間をかけて


やっと 本当にやっと 気づけたの



わたしだって


別の鎧を着ていたんだってこと




心の中で


あなたに恋をしてごめんなさい


と いつも思っていた




あなたを愛する資格なんてないのに


あなたに手を伸ばしちゃいけないのに




言葉にするのが怖くて

何かが すべてが 壊れるのが怖かった


わたしは「尊敬」という鎧で「恋」を隠した

あなたは「理性」という鎧で「愛」を封じた




隠したのに 封じたのに


それは 消えてなくならないどころか


ずっと ずっと あったかい息をしていた


たった一年の あの時間があって

わたしの人生は 大きく変わった

あなたが わたしの目の前に現れてくれたから



わがままで 欲張りだってことは わかってる



あなたに恋をしてしまって ごめんなさい

そして

あなたを愛することを やめなくて 本当によかった




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