夢の中はぶっ飛んでる ～本文より粗筋を頑張る～

マジカルマッスル

　魔法とは理（ことわり）であり、物理とは力（ちから）である。

　ふたつの思想が千年にわたって対立してきた世界――。

　魔法を学ぶ者は知を磨き、公式を唱えて世界を動かす。

　一方、物理を信奉する者は筋肉を鍛え、「殴ればだいたい解決する」と信じていた。

　そして生まれた、ふたりの少女。

　知を司るマジカルと、力を象徴するマッスル。

　彼女たちは出会い、そして――戦った。

「詠唱？　そんなのしない！」

「計算？　いや、殴るわ！」

　公式よりもプロテイン、呪文よりもスクワット。

　魔法陣を拳で描き、詠唱をシャウトでぶっ飛ばす新時代の魔法少女。

　物理法則を気合で粉砕する新時代のヒロイン。

　その名も、魔法少女筋肉。

　――世界よ、覚悟しろ。

　魔法少女（マジカル）×筋肉（マッスル）、開戦！

　世界は今、知と力の均衡を――。

「……ん？　う～ん」

　はっとして目を覚ました。

　寝ぼけ眼でスマホを探る。

　夢が消える前に、スマホのメモ帳に書き残した。

　それが映った画面を見て、自分でもわかるほど苦笑して頭を掻いた。

　いつか書くことができるだろうか？　このぶっ飛んだ内容を……。