第2話
橘の車が"メンタルクリニック"の駐車場に入ってくる。
橘は車から降り、
クリニックへと入り、受付に診察券を渡す。
受付「はい」
橘はそのまま二階に上がる。
橘M「はいってなんだよ、はいって」
クリニックの二階は長い一本道。
両脇には小部屋が並んでいる。
突き当りには広間があり、広間の入口近くにある靴箱は中で二段に分かれており。上段にはスリッパが入っている、そこで橘は靴を入れスリッパに履き替え、広間へと入る。
広間は20人程が入れる大きさ。
前にはホワイトボードがあり、椅子だけが壁から少し距離をとって、コの字を描く様に壁に沿って並んでいる。それぞれの椅子は部屋の中央を向いている。
広間の椅子は半分ほど埋まっており、周りには目もくれずに資料を凝視している人、隣の人と談笑している人。どこに焦点が合っているのか分からないどこを見ているのか分からない目でまっすぐ前を見ている人。何をするわけでもなく下を見ている人。スマホを見ている人など、男女様々だ。年齢はたまに年配の方がいるくらいで、10代から40代程の方がいる。
橘は部屋の入り口横の机に置いてある資料をとって中に進む。
橘M「挨拶ができん、したいんだが」
橘は下を向きながら進む。
隣に人がいない所に座り、
橘「ふう」
とりあえず資料を凝視する。
周りが見えないな...
少し時間だ経つと、白衣を着たクリニックのスタッフが入ってくる。
スタッフ「はい、みなさんおはようございます」
スタッフはホワイトボードの前で話し始める。
それではみなさんお隣の方と近況をお話しください。
チラホラ話し始める人達。
隣の人「あ、こんにちは」
橘「あ、はい」
橘は床に返事する。
隣の人「...」
× × ×
スタッフ「はいそれでは、今日も始めていきます。資料をご覧くださいね」
× × ×
スタッフ「はい、それでは皆さん今日の講義は終わりです」
そして今日は特別講義があるので、皆さんそのままお待ちいただけますか。
時間は30分ほどです。
お時間ない方はそのまま診察にお進みください。
橘「??」
スタッフが橘に近づいてくる。
橘さん、ぜひ講義をお受けいただけますか?
え、あ、はい
ありがとうございます。お願い致します。
あ、はい...
なんで俺にだけ?
チラホラと人が出ていくが、ある程度は残っている。
少しすると、鞄を持ったスーツを着た男性、望田芯(33)が入ってくる。
彼はゆっくりとホワイトボードまで歩く。
そしてゆっくり前を向き、全体を見る。
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