路上占い、あれこれ67【占い師は紅艶を持っている】
崔 梨遙(再)
今回は1754文字です。是非! 是非!
紅艶というのは、四柱推命の特殊星らしいです。よく言われるのが『モテる星』。ですが、この星が曲者なのを僕は知っています。異性とのトラブルが多いんです。ですが、僕みたいなイケメンでもなく背も169センチしかない、モテる要素の無い男が、それなりに女性経験があるのは『この星のおかげか?』と思うことがあります。今週、また『この星』のおかげか? ということがありました。
火曜日のことです。僕は今は初めてのバス通勤なのですが、帰りのバスでその女性は現れました。40歳くらい?(最近の女性の年齢はわかりません。皆さん、若く見えますから)の女性でしたが、僕の前に立ったんです。美人でした。でも、上品なのですが、ちょっとツンとしているというか、お高くとまっているというか、話しかけにくい雰囲気の女性でした。まあ、バスの中で話しかけることは無いのですが、スラッとしてスタイルも良かったです。
終点で、僕もその女性も降りようとしました。ですが、その女性、『バスに乗ったことが無いのか?』という感じで、バスなのに普通のクレジットカードを出したんです。勿論、使えません。女性は慌てて財布を出しましたが、
「どうしよう? 万札しか無いです」
とのこと。僕はサッと財布を出して千円札をその女性に渡しました。
「どうぞ、千円札なら両替できますので」
「え?」
僕は千円札を渡して、カッコ良く先に運賃を払って降りました。すると、その女性が追いかけて来てくれたのです。僕は『せっかくカッコ良く決めたのに』と思いました。別に、下心があって親切にしたわけではありません。基本的に、僕は女性には優しいんです。
「あの、お金」
「いいですよ、千円くらい」
「とりあえず、お釣りを返します」
「はあ・・・別にいいんですけど」
「すみません、バス代もお返ししないといけないのですが、今、細かいのが無くて」
「わかってますよ。気にしないでください」
「優しいんですね」
「基本的に僕は女性には優しいんです。特に、キレイな女性には。それだけです」
「あの、何かお礼を」
「いいですよ、用事があるんでしょう? 行ってください」
「でも・・・」
「じゃあ、今度の土曜日、ランチに付き合ってもらえますか? たまには美人と食事がしたいです。勿論、食事代は僕が出します」
「すみません、土曜は用事が・・・」
「じゃあ、諦めます。それじゃあ、さよなら」
「あの、明日の夕食ならご一緒できますけど」
「マジですか? じゃあ、一緒に食事してくれますか?」
「はい、お仕事はどこで?」
「〇〇駅の近くです」
「私、車で〇〇駅に迎えに行きます」
「いいんですか? なんか、申し訳無いですね」
「何時が良いですか?」
「じゃあ、〇〇時に」
「あ、連絡先を交換しましょう。合流出来なかったら大変ですから」
「あ、はい・・・・・・」
「じゃあ、明日」
「はい、明日」
勿論、その女性の左の薬指に指輪が無いのは確認していました。僕は不倫はしませんので。
翌日、車で迎えに来てもらって、食事して、その女性(梨花:りんか)を褒め称えて褒め称えて口説いて口説いて・・・(運転するから梨花さんがお酒を飲めないので口説くのが難しかったのですが・・・。
「梨花さん、まだ時間ありますか?」
「もう少しなら」
「行きたいところ、ありますか?」
「崔さんにお任せします」
「じゃあ、〇号線を走ってもらえますか?」
「あ、ここ右折です」
「ここ、左折です」
「はい、僕の行きたいところに着きました」
「崔さん、ホテルじゃないですか!」
僕は梨花の手を取って告りました。
「僕と付き合ってほしいんです。一夜で終わらせるつもりはありません」
「・・・・・・」
梨花は僕の手を握り締めてホテルの中に着いてきてくれました。
結ばれました。
土曜は女友達との約束、日曜は息子達(中学生と小学生)の用事ということで、この土日に会うことは出来ませんが、また会うことになっています。その日、『息子達が待ってるから』ということでお泊まりは出来ませんでしたが、素敵な時間を過ごせました。とりあえず、来週また会うことになっています。ちなみに梨花はバツイチです。歳は聞いていません。多分、聞かないと思います。
嘘みたいな展開でしょう? これって紅艶(特殊星)のおかげ? と思った火曜と水曜のことでした。
《続く? 続けます? 続きに興味ございますか?》
路上占い、あれこれ67【占い師は紅艶を持っている】 崔 梨遙(再) @sairiyousai
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