第8話 体育祭前日

体育祭前日、今日は明日の準備の関係で午前中に授業は終る。しかし、普段お嬢様が起きる時間になっても起きてこないので部屋の前に行きふすま越しに


「お嬢様、起きてますか?」


と聞いても反応がないので、久々に寝坊したのか?と思いながら襖を開けると


「お嬢様!大丈夫ですか!」


そう、とても苦しそうに口で呼吸しているお嬢様が寝てたのでひとまず近くで様子をみようとすると


「うーん、おはよ せいじ」

「おはようございます。起こしてしまいましたか?熱がありそうなので測りますね」


そういって取り出した体温計(非接触式)で熱を測ると


38.7℃


「あー、お嬢様完全に熱がありますね。どうしたんですか、熱出すなんて」


お嬢様は僕が知る限りでは熱を出したことが無い(後に長谷部さんに聞いたら、小さい頃はよく出してたみたい)

熱を出した事を長谷部さんに伝えると「旦那様に連絡した方がいいかな?」と聞いてきたので「連絡するとめんどくさくなりそうなんで大丈夫です。」と答えて、学校にも連絡した。しばらくして、お粥が出来たので持って行くと


「お嬢様、お粥です」

「…うん、たべさせてぇ~」

「わかりました」

そういって、食べさせた後部屋を出ようとした時


「もうちょっといてぇ」


と言われたので布団の横に座るとお嬢様が膝の上に頭を乗せてきて焦って


「お嬢様、頭を枕に戻してください」と言うと

「うーん、もうすこしだけぇ~」


そう言って、しばらくするとまた寝ていったので静かに頭を枕に戻して急いで学校に行った

~奈織視点~

ふと、目が覚めると誠二が居なくで時計を見ると13時だったので6時間くらい寝ていたことにきずいた。朝に比べるとちょっと楽になったのでゆっくりとしていると、だんだん朝の事を思い出し誠二にご飯を食べさせて貰ったり、膝枕をしてもらったことに気がついた瞬間一気に顔が熱くなるのを感じた。そして、恥ずかしさと嬉しさの狭間で狼狽えていると。


「失礼します。体調はどうですか?」


誠二が入ってきたと思って振り向くと、そこにいたのは長谷部さんだった。


「あれ、顔が赤いですよ。熱が上がってきたんじゃ無いですか?」

と言ってきたので言い訳をしようと思ったがどうせすぐにバレるので正直に話した


「違うの、誠二に膝枕をしてもらったことに嬉しさと恥ずかしさで悶えていたの」

「そうですか、そうですか。もう完全に恋する乙女ですねぇ~」

「う、うるさいぃ」

「熱は無さそうですねぇ、夕飯はどうしますか?」

「普通に食べる」

「わかりました。じゃあ準備しときますね。」

そういって、彼女は出ていった。

~誠二視点~

お嬢様から、解放され急いで学校に向かっていると


「よう、おまえがこの時間なんて珍しいな」

そういって、話しかけてきたのはこうだった。

「あれ、お嬢様はいねぇみたいだけど。まさか、置いてきたのか?」

「アホか、普通に熱出して寝てるよ」そういって話しながら教室に入ると

こっそりとななさんが

「おはよ、なーちゃんは?」

「熱出して寝てるよ」

「えっ、そうなの?帰りにお見舞いにいきたいんだけどいいかな?」

「いいよ、是非会いに行ってあげて」

そうして、その後はこうと話していたら先生がきたのでそれぞれの席に座った。



授業も終わり、クラブに入ってたり委員会に入ってる人達は体育祭の準備に向かうのだが自分は保健委員なので自分に割り当てられた仕事をマッハで済まして帰宅した。

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