小説の書き方

小説初心者あつまれー


 小説を書いた事がない方はいらっしゃいますか? 或いは、なんとなくで書いている方はいらっしゃいますか?


 そんな方に、小説とはなんぞやを紐解いていきます。



 先ず第一に、小説はどんなジャンルでも『嘘』なんですよ。


 上手い人は、他人を騙せる訳です。


 それはノンフィクションだってそうです、だってそれ、経験を経て書いた物じゃないか、と。動画や写真のように、客観的な視座で対象の今を捉えるならば分かりますが。


 主観を経て、出力されたノンフィクション作品は嘘です。それが事実でも、現実でも、単になるべく飾らなかっただけの嘘です。




 真偽は兎も角。


 本当の《初心者》は、小説を書けるのか?


 書けます。


 

 『私は今日、ハンバーグを食べた。

 母が作った、茸のハンバーグ。

 とても美味しかった。』


 これはあなたには感想に思えますか?


 感想だと思ったあなたは正しいし、間違っています。何故なら、小説とは体験談にせよなんにせよ、起承転結が必要です。しかし、上記の一節は起承転結があるんですよね。


 物語ストーリーがあって、文字をその為に走らせれば小説です。


 物語、上記の場合は『母が作ったハンバーグを食べて、美味しいと感じた私』な訳です。じゃあ物語あるやないか、と。


 とは言え、このままでは『詩』と『小説』の区別が難しいですね?


 詩は、物語である必要がないんです。しかし、小説は物語を文字で追わなければならない。


 似ているようで全くの別物なんですよね。



 もっと簡潔に述べましょう。


 『詩』はなんでもありです、作者の伝えたいが第一にあります。



 『小説』は、厳密に物語に縛られます。作者の伝えたい事柄を『ストーリー』で伝えるものだからです。




 と言う訳で、小説は『母が作ったハンバーグを食べて、美味しいと感じた私』を書けば極論ではあるものの、成立しちゃうんですよ。


 小学生の作文? なにを言うか!


 感想とは『ハンバーグが美味しかった』


 である!


 『私は今日、ハンバーグを食べた。

 母が作った、茸のハンバーグ。

 とても美味しかった』


 ではない!



 すっごい極論ですが、これすら小説と呼べます。


 話は戻りまして、巷で目にする『小説』を書く場合、なにが必要だろうか?


 一

 ストーリー。


 うん、これは大事だ。


 二

 キャラクター。

 

 これもまた大事だ。


 三

 地の文。


 うん? なんぞそれ?


 


 地の文とは、物語の語り手です。物語を読み上げる偉大なりし人で、作者により語り手は多様な語り口で物語る訳ですよ。英雄叙事詩からハードボイルドな銃撃戦、或いは甘々なボーイミーツガール。


 地の文とはなんぞや?


 

 『私は今日、ハンバーグを食べた。

 母が作った、茸のハンバーグ。

 とても美味しかった』


 これは地の文だ。しかしこのままでは味気ないな?




『 私は今日、ハンバーグを食べた。

 それは母が作った通りの、茸のハンバーグだった。


 「テレビはいいから、早く食べなさい」


 母がそう言うので、私は黙々と食べていたと思う。


 あの日から何年か経つ。社会人になった私は、借りた部屋で母のハンバーグを今日も作っている。


 それは今でも、とても美味しかった』



 ほら、小説になった。ん? 分からん?



 母が作ったハンバーグは美味しかった、を、社会人になった私が作って食べた。



 ってストーリーさ。間違いない、小説だ。



 他の作品も同じなんです。時系列があって、その流れの中にストーリーがあって、それを地の文(語り手)が追っていく。


 それだけ。難しくはない。




 ああん? もっと技術的な話をしろぉ?


 しゃ、しゃあねえな。ちょっとだけだぞお。

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