みどりと小指

虫原商会

拝啓

 ――家の中の植物は、君の好きなものだけ引き取っていいし、処分したり、譲渡してもいい。

 もちろん全て君が引き取っても構わないけれど、君本来の生活や嗜好に反して残そうとするくらいであれば、いっそ全て処分すること。

 君に形見として植物を遺そうとしているのではなく、本来僕自身が行うべきだった整理を、厚かましくも君にお願いしているわけだ。くれぐれもそこを履き違えないように。

 もし残すとしてもどう世話をすればいいのか、そもそもどういった植物なのかわからないものもあるだろうから、僕なりにメモを残しておく。

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