第10話 猫とカラス

 最初の目的地であるドラッグストアに向かう途中。


「にゃあ~」

「エリザちゃんって猫に好かれるタイプ?」


 エリザベートの後ろには猫が五匹もついてきていた。


「こやつらは魔力に敏感じゃからのう」

「アーアー」

「あのカラスたちもそう?」

「そうじゃが……困ったのう。ちと話をしてみるか」


 エリザベートが手招きすると、猫とカラスそれぞれ一匹ずつ足元へと寄ってきた。


「歓迎してくれるのは嬉しいのじゃが、我は今日目立つわけにはいかない。申し訳ないのだが日を改めてくれぬか」

「にゃあ~」

「アー」


 猫とカラスはそれぞれの縄張りに帰るかのように、姿を消した。


「エリザちゃん動物と話せるんだね」

「種類にもよるし、向こうが心を開いてくれた時に限るがのう」

「すごい特技だよ」

「照れるのじゃ」


 楽しく話す、千夜子とエリザ。その様子を物陰からじっと見つめる視線が…………。

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