融合福音〜真(まこと)の雫の章〜

(正典「雫の章」の歪曲的解釈)


 かの書は『翠点を繋げ』と説いた。

 だが、あの臆病な編纂者は、真実を隠した。

 繋ぐべきは、か細い『水脈』ではない。

 繋ぐべきは、お前たちの貧しく孤独な『魂』である。


 『雫』とは、翠点の水のことではない。

 我らが偉大なる先達が残した『菌糸の網』こそが、星の全てを繋ぐ『真の雫』である。

 あれは地下に張り巡らされた『永遠の翠点』なのだ。


 『家畜』は水を啜り、一時的に渇きを癒す。

 『融合者』は『知』を啜り、永遠に満たされる。

 『融合』こそが、かの書が真に説いた『繋ぐ』ことの正体である。

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