第5話

柚は椅子に腰掛け、その様子を見たリエルはゆっくり話始めた。


まず、ティアナ様が住んでいる世界と柚様が住んでいる世界は近いところにありまして、私の手違いで別の器に異なる魂を入れてしまいました。


何とか、元の器に戻そうとしたのですが互いの魂がその器に定着してしまいまして、一度死んでもらうしかなかったのです。


ですので、

柚様はトラックに轢かれ

ティアナ様も同様に不慮の事故として処理しました。


そこから、互いの魂をこちらに迎え入れ元々入る予定だった器に入れ、私の力を使い過去に戻したのです。


ですが、ここで1つ問題がございました。


違う魂が入ったことによって、本来辿るはずの道から外れてしまったのです。


柚様は今から2年後、20歳の時に父親に腹部を刺されお亡くなりに、ティアナ様は20歳の時に処刑されることになってしまったのです。


そこで小説という手段でお互いを認知してもらうことにしてもらいました。

そうすれば、数年後の死の未来が分かりますので。


本来は記憶を伝えるのは許されたことでは無いのですが、予想だにしないことが起きてしまったので、急遽お伝えすることに。



ということなのです。





「なら、私はあなたの手違いで別の世界にいる佐藤柚になってそこで死んで尚且つ、元の体に戻っても処刑されて死ぬ運命だってことだよね!」


リエルは怒った様子の柚を見て、しどろもどろになってしまった。


「そうなのです。本当に申し訳ございませんでしたっっっ。うぅぅ」


リエルは青ざめて泣き始めた。


「うわぁぁぁぁん。申し訳ございませんでしたぁ。」


「落ち着いて。」


泣きたいのはこっちなのにどうすればいいのよ。


「ちょっと待ってという事は、ティアナは今、私の身体に入っているということだよね。同じことをしっかり説明してるの?」


「はい。先程説明いたしまして、承諾して貰いました。」


なら、少しは安心したわ。


「こちらにはどうすることも出来なくて、未来を変える為にはご自身で抗うしか無くなってしまったのです。本当に申し訳ございません。」


そこまで謝れると、こちらも気が引ける。


柚は少し戸惑い、納得した。


「わかったわ。私も死ぬつもりはないし抗うつもりだったもの。」


柚は生きることを選んだので、迷いはなかった。


「ありがとうございます。また、何かありましたらこちらに呼びますのでその際はよろしくお願い致します。」


「ささやかですが、あなたの助けになる神獣を時が来たららそちらに向かわせますので。」


え神獣?


「神獣ってなに?どういうこと。」


「もう時間ですのでまた、お会いしましょう。」


ちょっとまだ途中じゃない!神獣ってどういうことーー!!!





どんどん姿が見えなくなっていった...…






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