第4話
『やっと思い出してくれたね。』
え、、、?誰…?
神秘的な美しいさを持つ少年がこちらを見ていた。
「僕は、この世界の創造主リエルだよ。」
え?創造主ってことはいわゆる神様ってことだよね。てことは、この神が私を転生させたってこと。
「ちょっと!私、今まで頑張ってきたのにいきなり処刑される未来があるティアナに転生させたのってどういうこと!」
柚は創造主リエルにきつく問い詰めた。
それに小説の中の人物に転生ってどういう事。そんなのってありえるの。
「落ち着いてください。それを今から説明するしますので。」
とりあえずここはどこなの説明してもらわないと。
柚は深呼吸をして落ち着いた表情になった。そして、いくつか、自分の知りたかったことをリエルに質問しようと思った。
「リエルにいくつか質問してもいい?」
リエルは少し考え込み、
「本当はいけないことだけど、僕が答えられる範囲ならできる限り伝えるよ。」
「わかった。」
この状況を把握するにはいくつかの情報が必要だ。
「ならまず、ここは一体どこなんですか??」
「この場所はね、僕が管理している記憶の部屋です。各部屋に人が今まで過ごしてきた記憶を保管しているんだ。」
少し誇らしげな表情をするリエルは少し可愛くも見えた。
記憶を管理か、ならどうして今になってこの記憶を見せてくれたんだろ。
「次に、どうして私をここに連れてきた
の。」
リエルは申し訳なさそうな表情でティアナの事を少し見て視線を逸らした。
柚はその表情を見て、何かがあるのだと思った。
リエルは、口をもごもごし始めてなかなか口を開こうとしない。
「リエル大丈夫だよ、ゆっくり話してもいいよ。」
いくら、私を不運な目に合わせた本人でも問い詰めたりはしないわ。
リエルは焦ったような態度で答え始めた。
「申し訳ございませんっっ。僕は魂を管理する役割を担っているのですが、あなたの本来入られる器の中に別の魂が入ってしまいまして、あなたが入る器は柚様が小説の中の人物だと思われている、ティアナ・アステール様なのです」
リエルはこちらの様子を伺いながら話し始めた。
ん?え、え?つまり私は佐藤柚じゃなかったと言うこと?リエルの手違いであんなに辛い思いをしたってこと。
「なんで今さらそんなこと教えるのよ!
私はやっとの思いで受験にも合格して父から逃げられると思ったのに。」
柚は衝撃的なことを聞かされ、驚いたが
悲しみの気持ちの方が多かった。
自分の今までしてきた行いが、全て無駄になったと思ったのだ。
涙がこぼれそうになった。
「これから話すことは長くなると思うので、今椅子を配置致しました。そちらにお掛け下さい。」
そう言うと、リエルは席を用意した。
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