捨て身で生きていた二人。男たちは形を変えながら『化け生きる』

鬼と仏。彼らは出会った。


鬼塚太助の右頬には、父親につけられた刃物の傷がある。
父親の背中には、『怨』の字が彫られていた。
暴力の中で、己が消されないように『捨て身』で生きていた。

仏崎蓮司郎は、余命が三年しかない。
いくら才能に恵まれていようとも、その先の未来が彼にはない。
書を開く頁。未読の部分が薄くなるように彼の人生も削られる。
彼は己が消されないように『捨て身』で生きていた。

そんな二人は出会い、合作を始める。

刻む文字は、さながら彼らの化身だろう。
手を組んだ鬼と仏。二人の合同執筆の表題は「化生」

それは彼らの約束の形であり、目指した場所の目印だった。



ラストは意外と爽やかに終わります。

見応え十分。ジャックザ・リッパーの名に相応しい切れ味で、
抉られます!!


ぜひ、ご一読を。

お勧めいたします。


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