第3話 それからの日々
それからの日々は目まぐるしいものだった。
私が死後の世界だと思っていたここはエルダニア王国というらしい。
私の第一発見者であるゼノは、私がいた墓地あたりを管理している辺境伯領の領主だった。
そして、国王の右腕として魔術師・魔女の統括をしているというとんでもなく権力と地位を持っている人物であった。
なぜ私をタイミングよく発見できたかというと彼の能力である【魂の異質性感知】によるものだった。
また彼の能力は、私がこの世界で産まれ育ったわけではないことをすぐに見抜いてしまった。
そして私の魔女としての能力も彼が見いだした。
私は【
最初はゼノの家に住んだ。
身寄りもないし、結局はゼノが統括している魔女だからということで空いている一室をあてがわれた。そこで生活の仕方から魔女の仕事までこの世界で生きていくための術を教えてもらった。
一緒に暮らしていてもゼノは最初出会ったときの印象と変わらず、無表情でぶっきらぼうな言い方の人物だった。私が霧の魔女と呼ばれているように、ゼノは周りからも”氷の公爵”と呼ばれていた。彼の印象からはピッタリの異名だと思った。
一年一緒に暮らすと、実はゼノが非常に面倒見がいいヤツということがうっすら分かってきた。私もなれない生活だったので、そこを利用させてもらった。
重い家具を組み立ててもらったり、風邪を引いたら甲斐甲斐しく世話をしてもらった。
ゼノは最初から今までもイヤな顔ひとつせず対応してくれた。
だから、甘えてしまった。
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