月桂樹のお話を知ってますか

Kay.Valentine

第1話

アポロ「おっ、エロス君じゃないか。


へえ~、ずいぶん小さな弓矢じゃん。


まるでおもちゃ、ははは」


エロス

「ムカツク。アポロは弓持ってんのかよ」


アポロ「ボクのはでっかいぞ。へへへ、


そんなお子チャマが持つのとは違うんだよ。


なんせ、大蛇を射止めたことだってあるし」


エロス

「ざけんじゃね~ぞ。見てろよ、倍返しだ!」


ちょうど、近くの川に可愛らしいニンフの


ダフネがいました。


エロスは、アポロに黄金の矢を放ちました。


命中。


エロス

(ふふふ、これでアポロはダフネに一目惚れ


でも、それだけじゃ面白くないなあ。……


うん、名案を思い付いちゃったね。へへへ)


エロスはダフネに鉛の矢を放ちました。


命中。


エロス「これでダフネはアポロを拒絶。


アポロはストーカーになるしかないって


ワケね。ざまあみろ、だね」


しばらくすると、


アポロの心に異変が起こりました。


アポロ「おお、ダフネ! わたしの命。


ボクは死ぬまでキミを離さないぞ」


アポロはダフネに抱きつこうとします。


とつぜんのことでダフネはびっくり!


ダフネ

「きゃあああ、いやあ、やめてください!」


アポロ「ボクの愛を受け入れてくれ」


ダフネ「冗談じゃない、


あんたみたいな男は趣味じゃないの」


ダフネは逃げます。アポロは追いかけます。


ダフネは逃げます。逃げます。


必死で逃げます。


アポロは追いかけます。追いかけます。


必死で追いかけます。


ダフネはついに父親のもとまで


逃げてきました。


ダフネ「パパァ、助けて!」


父親「おお、娘よ。待ってろ。


今助けてやるからな。……。


といっても、どうしたらいいのだ」


アポロがダフネに追いついて抱きつきます。


ダフネ「きゃあああ」


父親「え~い、とりあえず処女を奪えない


ように、木にしてしまえ」


父親はダフネに向けて、変身光線を発射。


命中。


あららら、ダフネは月桂樹に!


アポロ「うっそ~。なんてこったい仏様」


アポロは、泣く泣く月桂樹の枝から


月桂冠を作りました。


そして永遠に身に着けていたそうです。       


           オシマイ


      ギリシャ神話より

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

月桂樹のお話を知ってますか Kay.Valentine @Kay_Valentine

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ