君とはやっとらレイワ! もうレイワ! ありがとうございました~
沙華やや子
君とはやっとらレイワ! もうレイワ! ありがとうございました~
なぜか、そんな事を時々思う。
確かに
そんな歯痒い『蛍の光』を、ふと思い出す、いや、確固たる想い出が思い出せなく悶々とするのだ、たまに。
(あ! パブで嬢やってた時か?)それは濃厚。(きっとそう!! 今わかったぞ!)
「どうしたの?
「う、うん! だいじょうぶ、もう2025年も閉店、ぁちゃう、終わるんだな~って考えてたの」
「ン、まだ11月に入ったばかりだぜ?
「そうね、でもさ…ほら、スーパーなんてもうとっくにおせちの予約受け付けてんじゃん?」
「んだね~、クリスマスもまだなのにね! ハロウィンが終わったと思ったら毎年これ。年々速くなってねーか」
「でしょ~」
(あの頃はー…50円玉を握りしめて、よぉゲーセン行っとったな~)
フルーツが出てくるブロック崩しなるゲームの虜だった。
ピンボールに少し似たゲーム。画面下から球が飛び出す。球を落とさないよう気をつけながらガシャガシャガシャ―っと上にあるブロックを壊してゆく。たしか球がフルーツに当たれば、球を受ける2本のバーが長くなり、やりやすくなったりする。バーとバーの隙間から球が落ちたらミスだ。ミスは3回まで許されたっけな?? それ以上落とすとゲームオーバー。
ゲーム50円だなんてやっす! 安かったな~。てか今ゲーセンでそんなゲームきっとないよね。UFOキャッチャーまみれじゃん。UFOキャッチャーランドじゃん?
「…でさ~、どう考えたっておかしいなーって… てぇ!
「あ、うん…… ネ~!!」
「『ネ~』ってなに。適当だねー、まったく。
「うん、平成について」
「ン…ぅン?」
「懐かしいなーって」
「なんで急に?」
「そう。いつも急なの突然なの。頭の中でね『蛍の光』が鳴り始める。誰にでもあるよね」
至極当然のことの如くに言い放つ
「竹詩も時々聞こえてくるよね?」
(ンなわけねーじゃん)竹詩の顔が少し青い。でも(ま、まぁ、
「ボディコン! ワンレン!」とこの間も急に叫んだ
(あたし、どーもこの間カセットテープを押し入れから引っ張り出してからというもの、ノスタルジックな気分に浸りがちね…)
竹詩は
(竹詩とはかみ合わないことが結構あるんだよなー、ジェネレーションギャップ)
確かに竹詩は、先日…
竹詩は「ああ、あの! 凸凹っとしたクラッシュなんたら…」と言いかけた。その時。
「ちがう! ちがうよ、竹詩…つるんとしたアーモンド〇ッキーだよぉ」
そして……なんと、
「もう良い! 竹詩はあたしを理解しようとしてくれない!! レイワンちゃんとでも付き合えばいいわ! あの娘、竹詩を好きじゃん、若いし!! あたし、きのう
ガ――――――ンッ!!
あ、竹詩の脳内に何か聴こえてきた。
♪テンテ~テ・テン…テーンテェーテ・テン… 「蛍の光」だ!!
「きこえた! オレにも聴こえたよ!!
いずこからか知れぬが、鳴り続ける「蛍の光」。
無情な恋の結末。
君とはやっとらレイワ! もうレイワ! ありがとうございました~ 沙華やや子 @shaka_yayako
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