第2話

 青空が広がり、よく晴れた日曜日。

 森村もりむらあずさは、洗濯機を回し、窓枠に布団を干した。

 数年前、乾燥機付き洗濯機を思い切って買ったので、家事が楽になった。

 洗濯機を回している間に、六畳一間の畳の部屋の掃除をした。

 忙しさで、普段ちゃんとやれていない台所、トイレ、風呂の掃除もやった。

 二年前、あずさはHIROと言う名の画家の広瀬智衣ひろせともいと知り合い、智衣の同居人となった。

 現在智衣はアトリエで仕事をしていて、アパートにはあずさ一人で過ごしていた。

 ネコのシロの鳴き声が聞こえ、あずさは顔を上げた。

 シロは、部屋の中に入って来た。 

 シロは元々野良猫で、勝手気ままにこの部屋に出入りしている。

 名前がなかったので、白い毛並みから、あずさが「シロ」と名づけた。

 あずさが、陽のあたる場所にクッションを置くと、シロは気持ちよさそうに、クッションの上で丸くなった。

 掃除を終えたあずさはお湯を沸かし、お茶を飲む仕度を始めた。

 やがてお湯が沸き、お茶を入れたあずさは窓側の壁に寄りかかり、長い足を投げ出して座ってお茶をゆっくり飲んだ。

 日向ぼっこをしながらゆっくりお茶を飲んでいたあずさは、シロがクッションの上で丸くなって眠るのと同時に眠ってしまった。


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