第11話
なんだかんだで僕が普通に生きていけるのだから、割と世界はイージーモードなのかも知れない。高望みすればキリが無いが、望まなければどうとでもなる。コツは少しだけ望むこと、本心では大きく望むこと、しかし、期待しないこと。
とはいえ、こんなことを若者に言うわけにはいかない。変に感化されて上昇志向が無くされても困る。要は、目の前にぶら下げる人参の大きさと距離の調整をどうするかと言う話で、最適な調整は自分で確かめるしか無い。出来るだけ鼻先を掠めるように。簡単に食べられないように。重要なのは食べてしまっても次の餌をセットする事と、常に見直す事。
多くの人にとってお金とか、地位とか、権力とか、そう言ったものがそれであろう。事実、僕にとってもそうだ。毎秒1万円欲しい、のような大それたものでは無い。それなりに生きられ、それなりのストレスに圧され、それなりに解消していく。それが少しずつでいいから広げていく。
そうすれば、それなりにイージーだ。
なんて、まだ半世紀も生きていない若造が言ってると諸先輩方からお叱りを頂きそうだ。
まあなんと言うか。
僕は、まあそれなりに生きていますよ。
そんなことを思って書いたのは、今日が両親の命日だから。こんな事、素面では、書けない。グラスに残った慣れない酒を流し込んで、寝て、この事は忘れようと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます