第6話
もし、情報を線なしで伝えることができたなら、世界はどうなっていたのだろうか。
これはそこそこの頻度で語られてきたIFであり、今更僕が想像したところで何番煎じとなるところだ。そのため、僕が見て、読んできた中で頻度が高いものや説得力が高いと感じた物や歴史、文化をピックアップしてみる。
・前提
前提として、技術は線ありが最初に開発されることが前提。ただし、線なしでのみ開発が可能そうなものは例外とする。
・通話、電話
これは誰も思うだろう。海の空も関係なくグローバルに繋がれば戦争の結果も変わったかもしれない。とはいえ、日本が物量で負けることには変わらなかっただろうが。人間に会話能力がある以上、形態は変わるかもしれないが会話ツールとして残るだろう。
・ファクス、手紙などの紙媒体通信
時代によって盛衰が別れるが、今の時代からすると衰退する説を推す。線なしでインターネットに繋がるのであれば、ファクスはメールに取って代わられる。まあ、そもそも日本にファクスが浸透しすぎている面もあり、欧米では個人でも廃れている。そんな現状から鑑みるに、線の有無ではなくそう言う流れになることが自然なのだろう。
・携帯端末
現代で通話とファクスの最前線であるが、これもインターネットに繋がるのであればコンピュータを持ち歩くことになりそうだ。片手サイズのマシンも既に出てから久しいのだから尚更だ。
・文化
ネット文化の成立自体はリアルと変わらないだろうと言うのが大勢だ。これは人間性による物なのだから、僕もそう思う。
ただ、どのように発展するかは想像が及ばない。
ある人は手紙、電話、ファクス、メールとツールが発達しても、人間は直接会う事に価値を見出し続けるだろうと言う。
ある人は手軽に情報に触れられるようになると依存する者が多く発生すると言う。
ある人は、テレビが出てからテレビに依存する者が続出したが、今ではそれも少なくなっていることからすると、次のコンテンツが出るまでの一過性の現象に過ぎないと言う。
どれももっともだと思うので、僕が特筆することはない。
・物理コンテンツ
何もかもが繋ぐことなく手に入るようになると、物理媒体が淘汰される。そんなことを言っていた人が一昔前にいたが、現代ですらそうなのだからこれは情報革新による効果だろう。
・デジタルコンテンツ
どこにいてもアクセス可能と言う点で、リアルタイム性を増したコンテンツが台頭するだろうというのが大勢だ。今はコンテンツを持ち歩くにはどこかの回線に線を繋いでダウンロードする必要がある。それがどこでもストリーミング出来るようになると、確かにそうなっていても不思議ではない。
・科学
線がない場合、人間は宇宙に進出していたかもしれないと言う話は興味をそそった。現代でも技術的には宇宙に到達は可能だ。
しかし、地上との交信なしに星の世界へ進むには、パイロットやクルーへの依存度が高過ぎる。無限の長さを持つ、重量が限りなく0に近い、頑丈無比なケーブルが作れれば、地上との交信や遠隔制御が可能となり問題がいくらか解決する。ーー荒唐無稽な前提ではあるが。
・線
線は無くならないどころか重要性を増すと言われている。安定度とセキュリティは、どうしても物理接続になるとの見方だ。僕達が良く知る赤外線を使ったリモコンですら、距離は短いし障害物を回折しない。しかも他社製のリモコンが使えてしまう。
これが電話やインターネットであったら、と思うとこの気持ちも少しは分かるだろうか。
最後は駄洒落で締めよう。
せんなきことを考えるのは、この世界に生きる人間の性だ。
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