第十二章:帰還と報奨、そして新たな目標

魔王を倒した蓮たちは、王都へ凱旋した。


街中の人々が歓声を上げて迎えた。


「勇者様、万歳!」


「レン様も万歳!」


蓮の名前も、すっかり有名になっていた。


王城では、盛大な祝賀会が開かれた。


「よくやった、勇者リオン。そして、レン。お前たちは国の英雄だ」


王が二人に勲章を授けた。


「ありがとうございます」


蓮は恐縮していた。


「レン、お前には特別な報奨を与えよう」


「え?」


「お前に、貴族の称号を与える。今日から、お前は『男爵レン』だ」


「貴族……!?」


蓮は驚いた。


「そして、辺境の広大な土地を領地として与える。そこで、お前の力を存分に発揮してくれ」


「はい……ありがとうございます!」


蓮は深々と頭を下げた。



* * *


祝賀会の後、蓮は仲間たちと話していた。


「レンさん、貴族になるんですね!」


リィナが嬉しそうに言った。


「まだ実感が湧かないよ」


「これからどうするんですか?」


セリアが尋ねる。


「そうだな……まずは、領地に戻って、もっと大きな食堂を作りたいな」


「食堂ですか?」


「うん。もっと多くの人に、美味しい料理を食べてもらいたいんだ」


蓮の言葉に、みんなが笑顔になった。


「じゃあ、私たちも手伝います!」


「ありがとう、みんな」


その時、リオンが近づいてきた。


「レン、少しいいか?」


「はい」


二人は別室へ移動した。


「レン、本当にありがとう。お前がいなければ、魔王を倒せなかった」


「いえ、リオンさんたちの力があったからこそです」


「それと……ごめん」


リオンは頭を下げた。


「最初、お前を追放したこと。あれは間違いだった」


「もういいですよ。それに、追放されたおかげで、今の仲間たちに出会えましたから」


「そっか。お前、本当に優しいな」


二人は笑い合った。


その後、ガレンもやってきた。


「おい、レン」


「ガレンさん」


「……すまなかった」


ガレンは珍しく素直に謝った。


「俺は、お前のことを過小評価していた。だが、お前は本物の英雄だ」


「ありがとうございます」


「これからも、頑張れよ」


ガレンは蓮の肩を叩いて去っていった。

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