道に迷い、人生に迷い、そしてラブコメ時空へと突入する!!!

 日常なラブコメのはずなのに、なぜか大スケールなSFな感がある。そんな存在感の濃い作品です。

 主人公の降谷さんの勤める会社に入ってきた迷田くん。彼は容姿端麗で仕事もできるっぽい完璧そうな男性だったが、実は「極度の方向音痴」という特性を備えていた。

 そして、彼の抱える問題は「単純に道に迷いやすい」なんて次元のものではなくて……。

 この辺りの迷田くんの設定がとにかく面白いです。
 なぜ彼が道に迷いやすいか。その「原因」となっている話がどこかSFチックな壮大さを持っていて、とんでもなく根が深い代物であることがわかることに。

 誰かが道案内をしてやればいいのではないか、ナビかなんかを使えばいいのではないか。思いつくあらゆる方法が実は「無力」であることがわかり、その結果として凄まじい事態にまで発展していく。

 そんな迷田くんの教育係をさせられることになった降谷さん。迷田くんの数奇な体質と関わっていく中で、さらなる「事実」が判明することに。

 迷いに迷い、その先で踏み込んでいく「ラブコメ」という名の次元。果たしてそれは正解となるルートとなりうるのか、それともさらなる混迷への道となるのか。

 ハイテンションかつ大スケールで送られるSF(すこしふしぎ)ラブコメ、楽しさいっぱいでオススメです。

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