Buddy Cop: Digital Brotherhood

疾風の刃

第1話  地獄へようこそ

ロサンゼルス——天使のいない街。

夜に残るのは、銃火とネオンと、腐った正義だけ。

正義は遅れてやって来る。いや、時に永遠に来ない。


LAPD。

署長は潰瘍で入院、副署長は胃薬で命を繋ぐ。

そんな夜に、“新人”が現れた。


「マイアミ警察交通課から来ました!

母のアルマーニスーツで気合入れてます!

ラムケーキをトラック一台分、皆さんに!」


副署長はこめかみを押さえた。

「……潰瘍が再発しそうだ……」


金属の足音。

煙の奥から現れるトレンチコートの悪魔——ボビー・キャラハン。

葉巻を噛み、腰には違法改造.44マグナム。

目は死んでいた。


「ボビー。新しい相棒だ。七日間の新人プロトコルだ。殺すなよ。」

ボビーは無表情で新人を一瞥し、ぼそりと呟く。

「……泣けてくるぜ。」

「よろしくお願いします!この街の平和は僕に任せてください!」

笑顔で手を差し出す新人に、ボビーは葉巻を噛み直した。

「坊主……必要なのは勉強じゃねえ。LAPD流だ。」

ガソリンと硝煙の匂いが二人を包む。

地獄の七日間が始まった。

天使を信じる新人と、何も信じない機械。

二人の歩みが、やがて伝説を刻む。

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