ユイノカケラ

ごぼうりんぐ

プロローグ『走馬灯』

人生の記憶が、次々と脳裏をよぎる。

その移ろいゆく光景を、人はある灯籠になぞらえて「走馬灯」と呼ぶ。

その時間は、ほんの一瞬――。

けれど、走馬灯を見ている本人にとって、それは本当に「一瞬」なのだろうか。

もし、その中でさらに走馬灯を見続けることを繰り返したなら、

時間の密度は極限まで高まり、やがて「永遠」に近づくのではないか。

そして、それを観測できる場所があるとしたら――

その場所もまた、無限の時間へと伸びているのかもしれない。

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