【連作短編】樋口竜の誕生日(1998〜2025)【Hello!青春クラブ】
優希【団子って人】
【0歳】1998/05/24(日)生まれたよ。0歳だよ。
その日の記憶を、当然のように英美里は覚えていないが、母の次子にはしっかり抱きしめてもらえていて、兄の雨治がその様子をカメラに収めた、雨治も大人になったら思い出して、2025年の10月25日に竜に「俺は誰にも祝われなかったんだ1」と言われた時竜にその写真を見せてくれたものだ。次子は愛おしそうに満面の笑顔で、「生まれてきてくれてありがとう。新しい命をありがとう……」と何度も何度も呟いていたものだ。
「だが」というのがハロー世界外のジェ氏である。ジェ氏もまたハロー世界を知っているのだった。
「次子は……雨治と、産んでくれた病院の人にだけ、その様子を見せて、『なんだ。女の子か……流羽くんと取り合いになりそう』と。娘を独り占めにしたいという思いと、流羽が女を好きになるという思いと、雨治の方が可愛いという思いが交錯していた。そして次子は体調不良を言い訳に、1ヶ月も病院の先生に英美里を預けて、雨治と流羽と遊びに行こうとしたが、その日流羽が『次子なんかの子を可愛いと思えない』と言いながら出ていった。なぜ流羽が次子のこと嫌いなのかというと、節々に人間に対する悪意を感じるからだ。本人がそれを問い詰めると、次子はいつも『私は誤解されるだけでちゃんと人のことを考えてる』と言い、雨治を抱きしめ、次子の表情が流羽に雨治に嫉妬させたがっていた。流羽は『なんだこいつ』と思い、不動産の投資をして、大外れした。不動産の投資をした理由は、楽に生活資金を貯めたかったから。それで次子と喧嘩になり、次子は『流羽くんは馬鹿なんだから』と言った。それもきっかけだった……」
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