第7話 VS 悪魔

地獄の底で悪魔の目黒怨(めぐろえん)は依頼を受け取った。地獄に送られた亡者や悪人が川村猫衛門を倒してほしいと嘆き莫大な金を用意してきた。地獄で名を馳せた殺し屋である目黒怨としては断る理由はない。


川村を倒せば自分の名声も上がると考え、意気揚々と地上へと出現し川村へ決闘を申し込んだ。


赤と黒のストライプのソフト帽子にスーツ、青白い顔に寝不足なのか両目の下には深いクマができている。右目は相手の戦闘力を計測するスコープになっている。


「お前が川村猫衛門か。ああ、怨めしい。お前のせいで俺が地獄から出てくる羽目になった」

「怨めしいといいつつお主の口調からは喜んでいるように思えるでござるが」

「怨めしいッ」


目黒は背中から蝙蝠に似た悪魔の翼を展開して突風を発生するが、川村の抜刀したかもわからぬ一振りで風を無力化されてしまう。


目を細めた目黒は銃口を向けて発砲。


怨みをエネルギーとした弾丸を無数に放つが川村の目には止まっているように見えるほど遅く、刃で全て弾いてしまった。弾かれた弾は岩壁に命中し大爆発を起こす。


川村は跳躍し放たれた特大のエネルギー弾を一刀両断してからゆっくりと迫る。


「お主、剣術が使えるでござろう」

「多少はなぁっ」


拳銃を剣に変形させて斬りかかるが、川村は斬心刃で受け止めつつ斜め斬りを浴びせた。


目黒の身体に斜めに傷ができて緑色の血が噴水のように噴き出されて落下。

辛うじて起き上がるが満身創痍だ。


川村は眉間に皺を寄せてすこし冷たい声で言った。


「お主の剣では拙者に届かぬでござるな」


悲しそうに首を振って踵を返す川村に目黒は己の全エネルギーを込めて紫色のエネルギー波を放った。隙だらけの相手を仕留める好機と考えたのだ。


川村は嘆息しエネルギー波が当たる直前に振り向いて。


「怨みの濁った攻撃では拙者を倒せぬでござるよ!」


一閃でエネルギー波と目黒を同時に斬り倒した。

あまりの威力に目黒は断末魔さえ残すことなく消滅した。


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