第4話 VS数万人の宇宙人軍団

「やっぱりカレーライスは最高でござるなぁ」


この日、川村が行きつけの食堂で大好物のカレーライスを食べていると悲鳴が聞こえてきた。川村の猫耳はどんな些細な悲鳴でも聞き逃すことはない。


一瞬でカレーを平らげ代金をテーブルに置いて外に出ると上空に巨大なUFOが浮かび、そこから無数のタコ型宇宙人が襲来しているではないか。


緑色のタコといった容貌の異星人たちは手に独特の剣や槍、銃を手にして襲っては人を消滅させている。


川村はせっかくの食事の時間を台無しにされ苛立ちを覚えていた。そうでなくとも人々を傷つける行為は断じて見逃すことのできない性分であった。


「お主ら!」


いつもより怒気を強めて呼びかけると宇宙人たちは動きを止めて川村を見た。

その間にも次から次へと際限なく宇宙船から宇宙人が降り立ってくる。


「地球を侵略しに来たのでござろうが、拙者がいたのが運の尽きでござったな」


川村は愛刃『斬心刀(ざんしんとう)』をゆっくりと抜いて宣言した。


「そこから一歩でも前進すれば斬る! 地球を去れば斬らぬ。選ぶでござる!」


宇宙人たちは銃口を向けてビームを発射するが川村は剣技で全て捌き突進。

圧倒的人数のため通常の斬撃では足りないと判断し技を使うことにした。


「斬心刀! 竜巻斬り!」


凄まじい速度で回転し竜巻を発生させながら宇宙人たちを巻き込み切り刻んでいく。


一度に二百体を絶命させ地に降り立った川村だが、敵はまだまだいる。


「斬心刀! 猫手返し!」


一度振り下ろした刃を反対にして突き上げる。

放たれた斬撃が縦一列に並んでいた宇宙人の群れを一掃した。


首を斬り、輪切りにし、袈裟斬りを浴びせと川村は持ち前の剣術を使い続ける。

ビームを弾き敵を同士討ちさせたり、飛んでくる槍や剣を防いだり。


「キリがないでござるな」


もう何百、何千人倒しただろうか。一撃も食らっていないとはいえ、さすがの川村の顔には薄く汗が浮かんできた。唇を強く噛み締め剣を握る柄に力を込める。


川村は戦闘を繰り広げながら真上を見た。

目の前の敵に囚われていてはダメだと思った。

挫くには本体を狙わなければならない。地面を強く蹴って高く、高く跳躍する。


「斬心刀! 華麗米斬り!」


川村の最大技を発動した。

未知の金属で構成されているUFOが米の字に切断され、爆発。

地面に降り立った川村は額の汗を拭って息を吐きだした。


「これで解決でござるな」


宇宙人は全て成敗され、川村は再び食堂へと戻り大盛りカレーを食べるのだった。

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