登場人物の“内側”に触れたくなるような強い衝動が伝わってきました。

ロッカーという無機質な対象に「好き」という感情を向けるその静かな狂気にも近い熱量が、不思議と共感を呼び、甘くも冷たい余韻を残します。恋愛とホラーの境界に立つような構造が印象的で、次に何が起きるかをじっと待たされているような読後感がとてもいいですね。