第2話 時代は違う

「は?!昭和10年!?」

1935年は第一次世界大戦の17年後、第二次世界大戦の4年前である

その時、バン!とドアが開けられ数人の軍人が入ってきた

自身のいるベッドの前に来てまじまじと見つめてきた

「帝国陸軍の兵士が病院に搬送されたと聞いたが、貴様我が部隊ではないな?」

「はい」

「貴様の名はなんだ!所属部隊は!?」

「神原旭です!所属部隊は分かりません!」

「所属がわからない!!?帝国軍人として恥だと思わんのかこんのカスが!!第二期甲は知ってるだろう!」

「わからないです、あなたもわからないです」

「何を言っている私は黒瀬大佐だ!聞いたことがあるだろぉう!」

勲章を見せつけながら怒鳴ってきた

「すいません、記憶がなくて黒瀬大佐の部隊もわからないです」

「なに?! 我が陸軍第二魔導機甲師団を知らないだとぉ!帝国の誇りであって重要戦力である魔導機甲師団の第二基地である玖嶺(くれい 現実の広島県の呉)

陸軍基地をしらなぁいだとおぉ!」

と黒瀬大佐大きな声で怒鳴る

周りの兵士は引くものも居れば、大佐のクセ出たなあと思ってそうな顔をしてる人もいた

「ともかぁく貴様が帝国軍人である証拠がない!よって味方をすることもできん」

「でしたらあなたの師団に入れてください」

周りがザワッとした

「お前が、優秀な陸軍第二魔導機甲師団にか!見ず知らずの貴様をかぁ!?」

「入団試験をさせてください、戦闘訓練もしたことがあり、体力には自信があります!」

ベッドから立ち上がると体からズキっと痛みがした

「ほう、口だけならなんとでも言える、死ぬる覚悟はあるか!国のために全人生を捧げ成果を出すかぁ!!」軍刀を抜き首元に向けてきた黒瀬大佐は怖い顔をして大声で怒鳴ってきた

だが回答はもちろん「できます誇り高き日本国民として国のために命を犠牲にします!」

黒瀬大佐は黙った

少しの沈黙の後黒瀬大佐はニイィィと笑顔になった

「なぁるほど少しは度胸はあるようだな、よろしい!試験を受けさせてやろぉ」

度胸なある、自衛隊時代に上官から何度もキツく指導されちょっとやそっとでは恐怖心を感じなくなったからだ

恐怖を完全に感じないわけではない、戦地へおもむくからには軍刀を向けられた程度は冷静でいられるただそれだけだ

周りがざわめき出し「いいんですか?」、「本気ですか?」と言い出した

黒瀬大佐がキッとした表情をして

「ただぁし!!あくまで試験を受けさせるだけえぇ!試験を受けたからと言って入団できるわけではなあぁいぃぃ!!」指をビシッと自分に向けてきた黒瀬大佐の表情はニッと笑っていた

「まあ全ては試験によるがな、日時はどうしようか」近くにいた医者に目を合わせ

ツカツカと歩み寄った

「この神原はいつ頃退院だぁ?」

「はいっ 神原さんはこのまま調子が良ければ、2日後には、退院できます」

持っていたカルテをパラパラとめくりながら答えた

「ほぉなら2日後の昼10時わが師団の基地へ来い門番に試験を受けに来たと言え、いいなぁ?」

「はい!」

夢かもしれないがこの祖国で兵として守れるのならチャンスはない

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異世界前線―魔法と科学が交わる戦場で― オーズ、ソファーいよい @si_oz

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