行間に潜む、凍れる銀の刃。

文字が、牙を剥く。
ただの革命譚ではない。
行間に潜むのは、冷徹なまでの美学だ。

差別。分断。歴史の重圧。
それら全てを、氷の魔力と一振りの聖剣でなぎ倒し、主人公が放つ言葉は、人々を導く。

物語の体裁は王道。

だが、その肌触りはあまりに鋭く、そして重い。
はっと気づけば、その筆致に心は討たれ、
世界を凍らせる圧倒的な静謐さに飲み込まれている。読み進めるほどに、読者の魂は切り刻まれる。

それは、行間に閃く刃がもたらすもの。
淡々とした語りのその行間にある、想いと血と剣戟の密度の濃さに驚く。
気がつくと、1行を何分も見つめている。

ストーリーの面白さを超え、その筆致に触れるためだけにでも読む価値がある。
研ぎ澄まされた言葉の礫に、ただただ平伏してほしい。

その他のおすすめレビュー

月立淳水(つきだてあつみ)さんの他のおすすめレビュー102