ワイン
鈴音
ワイン
チョキチョキとはさみで紙を切る。一枚から沢山の紙片が出来た。
鼻歌交じりにそれを並べるとおもむろにワインを紙片にかける。芳醇なブドウの香りが辺りに広がった。紙片は赤く赤く染まっていく。
まばらに散らばったそれらを一つ取り上げると口に放り込んで呑み込んだ。甘い果実のような味。脳がとろけていくのを感じる。それをゆっくりと味わう。一枚一枚、時間が経てば経つほど、作った紙片が消えていく。
半ばほどで、更にワインをかけてケタケタと笑う。また一つ、また一つと紙片を口に放り込んでは恍惚とした表情を浮かべた。
そして全てを呑み込むと、また紙を取り出してチョキチョキとはさみで紙を切り始めた。ワインと同じ赤いドレスと赤いヒールを身に纏って。
ワイン 鈴音 @suzune_arashi
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