地味図書委員、全国大会で心を動かす!
なのはー
第1話
📖 第1話 静かな革命、始まる
放課後の図書室。窓の外は夕焼け、古い本の匂いが漂っていた。
成瀬高校図書委員会は、いつものように貸し出しノートを整理していた。
「……図書委員会、廃止?」
委員長の真歩(まほ)は、職員室から届いた一枚の通知を見つめて呟いた。
『来年度、図書委員会は活動縮小のため廃止とする』
「は? 嘘でしょ!?」
思わず声を上げたのは、ノリのいい神谷(かみや)だ。
「だって、俺たちちゃんと仕事してるじゃん! 本だって整理してるし!」
冷静な副委員長の奏(かなで)がため息をつく。
「“成果が見えにくい”って書いてある。……つまり、地味ってことね」
その言葉に、部屋が少し静まり返った。
本棚の隙間から、ひかりが小さく声を出す。
「わたし、この場所が好きなのに……」
真歩は手の中の紙を握りしめた。
「だったら、見せてやればいい。私たちの“成果”を」
その一言が、みんなの胸に火を灯した。
地味でも、静かでも、本を通じて人の心を動かすことができる。
――そう信じていた。
翌週、SNSでの署名活動が始まる。
「#図書委員会を守れ」のタグは小さな波紋から、やがてニュース番組でも取り上げられた。
そして、ある日。
「全国委員会グランプリ……?」
奏が届いたメールを読み上げる。
『全国の学校委員会が理念と情熱を競う大会。参加校募集。』
真歩の目が静かに光った。
「行こう。――私たちの言葉で、心を動かそう」
静かな革命は、ここから始まった。
🔥 第1話のテーマ:
「静かな者たちが、声を上げる瞬間」
本と誠実さの力で戦う序章
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