おわりに

巻末参考文献&あなたへのお礼とご案内♡

【参考文献一覧】


【ポジティブな声かけ=モチベーションを高める推進剤に?】

Impact of Managerial Trustworthy Behavior on Employee Engagement: Mediating Role of Perceived Insider Status. 2022. Defeng Liu, Haroon Bakari, et al.

Jung, H. S., & Yoon, H. H. (2015). The impact of employees’ positive psychological capital on job satisfaction and organizational citizenship behaviors in the hotel. International Journal of Contemporary Hospitality Management, 27(6), 1135–1156.

Perceived organizational support for women's advancement and turnover intentions: The mediating role of job and employer satisfaction. 2006. I.M. Jawahar, Pegah Hemmasi.

An Introduction, Review, and Conceptual Analysis of Mattering as an Essential Construct and an Essential Way of Life. 2021. Gordon L. Flett, et al.

 これら一連の研究では、肯定的な声かけがモチベーションを高め、個人や組織のパフォーマンスを向上させることが報告されました。かんたんに言うと、ひとも組織も前向きなフィードバックをもらうとやる気が出るようです。

 たとえば、学校で先生から「最近いい調子だね!」と声をかけてもらったり、会社で上司から「最近がんばってるね!」「おかげで助かってるよ!」などと前向きな言葉をかけられると、個人のモチベーションや組織の生産性(=パフォーマンス)などが向上する傾向にあったのだそう。

 さらに、こうした声かけによる心理的なサポートは①企業での離職率の改善だけでなく、②個人の自己効力感を高めて人間関係を良くすることにも少なからず影響しました。ひとことで言うと、ポジティブな言葉には人と人を結びつける効果があるようです。


【感謝の言葉=心の栄養剤】

Gratitude and well-being: a review and theoretical integration. Alex M Wood et al. Clin Psychol Rev. 2010 Nov.

Emmons, R. A., & McCullough, M. E. (2003). Counting blessings versus burdens: An experimental investigation of gratitude and subjective well-being in daily life. Journal of Personality and Social Psychology, 84(2), 377–389.

Florencio Portocarrero, et al. A meta-analytic review of the relationship between dispositional gratitude and well-being. October 2020. Personality and Individual Differences.

Thankful for the little things: A meta-analysis of gratitude interventions. Don E Davis et al. J Couns Psychol. 2016 Jan.

Examining the Pathways between Gratitude and Self-Rated Physical Health across Adulthood. Patrick L Hill et al. Pers Individ Dif. 2013 Jan.

 これらのデータによると、日頃から物事に感謝できる人のほうが、①幸福度だけでなく②身体的な健康レベルも高い傾向にありました。

 より具体的には、意識的に「感謝できること」を探したり見つけたりしている人ほど、自己報告による主観的な幸福度がベースラインよりも高かったのだそう。

 かんたんに言うと、感謝の気持ちを忘れない人は心身ともに健康でいられるようです。

 たとえば、宗教的なミサや礼拝などでは「神への感謝」を述べるシーンが多く、宗教を持たない人よりも感謝の数を数えるチャンスに恵まれている場合が少なくありません。

 言ってみれば、これは日常生活の中に「ものごとに感謝する機会」が組み込まれていることを意味します。ひとことで言うと、感謝の言葉が心の栄養剤になるのです。


【オキシトシンのおかげで①幸福度や②免疫力がUP】

Lougheed, J. P., Koval, P., & Hollenstein, T. (2016). Sharing the burden: The interpersonal regulation of emotional arousal in mother−daughter dyads. Emotion, 16(1), 83–93.

Juulia T Suvilehto, Lauri Nummenmaa, et al. (2019) Cross-cultural similarity in relationship-specific social touching.

A novel role of oxytocin: Oxytocin-induced well-being in humans. Etsuro Ito et al. Biophys Physicobiol. 2019.

Tong Li, Ping Wang, et al. (2016) Approaches Mediating Oxytocin Regulation of the Immune System.

Segerstrom, S. C., & Miller, G. E. (2004). Psychological Stress and the Human Immune System: A Meta-Analytic Study of 30 Years of Inquiry. Psychological Bulletin, 130(4), 601–630.

Ping Wang, Stephani C Wang, et al. (2019) Therapeutic Potential of Oxytocin in Atherosclerotic Cardiovascular Disease: Mechanisms and Signaling Pathways.

The orgasmic history of oxytocin: Love, lust, and labor. Navneet Magon et al. Indian J Endocrinol Metab. 2011 Sep.

 これら一連のレビューでは、親しい人との身体的な接触によってオキシトシンが分泌された結果、被験者の①幸福度の向上や②ストレスレベルの減少などに影響することが示されました。

 また、仲のいい人とのキスやハグなどを通じて分泌されたオキシトシンは、①免疫力の向上や②冠動脈系の疾患の罹患リスクを下げるなどの身体的なメリットももたらしたのだそう。

 かんたんに言うと、親しい人との触れ合いはお互いの心を癒すと同時に、病気に負けない強い身体を作ることにも役立つようです。


【愛情ホルモン=PTSDに効くお薬に?】

Claire Le Dorze, et al. Emotional remodeling with oxytocin durably rescues trauma-induced behavioral and neuro-morphological changes in rats: a promising treatment for PTSD. January 2020.

Oxytocin, PTSD, and sexual abuse are associated with attention network intrinsic functional connectivity. Kathleen I Crum et al. Psychiatry Res Neuroimaging. 2021.

Preventing PTSD with oxytocin: effects of oxytocin administration on fear neurocircuitry and PTSD symptom development in recently trauma-exposed individuals. Jessie L Frijling. Eur J Psychotraumatol. 2017.

 これらの研究では、体内のオキシトシン量を増やすことによって、PTSDに苦しむ被験者の症状が和らぐ可能性が示されました。

 具体的に言うと、オキシトシンを濃縮した点鼻薬を鼻に注入することで、悪夢や恐怖心などといったPTSDの各症状が緩和されたのだそう。

 かんたんに言うと、愛情ホルモンはPTSDに効くお薬になるようです。

 オキシトシンは人と触れ合うことでも分泌されるため、ツラいときこそ1人で抱え込まずに親しい人とともに過ごし、オキシトシンの分泌によるPTSDの症状の緩和を図るのがいいかもしれません。

 ただし、重篤な症状を抱えている場合は個人の判断ではなく専門家の指導を受け、医療的なアプローチによって各症状の改善を図っていくことが望まれます。


【不安や寂しさが人との接触を求める接着剤に?】

Lahey, B. B. (2009). Public health significance of neuroticism. American Psychologist, 64(4), 241–256.

Sad-fishing: Understanding a maladaptive social media behavior in college students. 2022. Cara Petrofes, Krista Howard, et al.

Bowlby, J. (1958). The nature of the child's tie to his mother. The International Journal of Psychoanalysis, 39, 350–373.

Donatella Marazziti, Bernardo Dell'Osso, et al. (2006) A relationship between oxytocin and anxiety of romantic attachment.

 これら一連の研究では、不安や寂しさがひと一倍強い人ほど他者との触れ合いを求める傾向が確認されました。

 とりわけ、子どもの頃に家に帰っても両親が不在で寂しい思いをした場合などは、こうした他人との接触を求める傾向がより強まることが分かっています。

 かんたんに言うと、不安や寂しさが人との交流を求める接着剤になるようです。

 ひるがえって、こうした不安や寂しさ体内のオキシトシン濃度の高さに比例する傾向にあるため、他人よりも愛情ホルモンの分泌量が多い人ほど不安を感じやすいとされています。

 じっさいに、オキシトシンの分泌量が多い人ほど愛着不安——寂しがり屋な傾向が強いようです。ひょっとしたら、ひとりでいるのが苦手な人は体内のオキシトシン量が高いのかもしれません。


【孤独=心と身体をジワジワ蝕む毒キノコ?】

Loneliness matters: a theoretical and empirical review of consequences and mechanisms. Louise C Hawkley et al. Ann Behav Med. 2010 Oct.

Ade Kearns, Elise Whitley, et al. (2014) Loneliness, social relations and health and well-being in deprived communities.

Association of loneliness with all-cause mortality: A meta-analysis. (2018) Laura Alejandra Rico-Uribe, Francisco Félix Caballero, Natalia Martín-María, María Cabello, José Luis Ayuso-Mateos, Marta Miret.

The effect of loneliness on depression: A meta-analysis. Evren Erzen et al. Int J Soc Psychiatry. 2018 Aug.

 これらの一連のレビューでは、孤独のデメリットが総合的な観点から指摘されました。

 たとえば、日常的に孤独を感じている人ほど①糖尿病や②心臓病などに罹患しやすく、また③うつ病や④不安障害などといった精神疾患にもかかりやすいことが示されています。

 さらに、他人とのつながりが断たれている人ほど⑤肥満になりやすいうえ、長期的な死亡率も平均と比べて22%も悪化するという結果が導き出されました。

 かんたんに言うと、孤独は心と身体をジワジワと蝕む毒キノコのようなものです。

 ただ一方で、これらのデメリットは他人とのつながりを取り戻すことで回避できるため、ネットコミュニティでの交流を持つことや新しい人間関係を築くことなどが孤独への処方箋となります。

 ひとことで言うと、他人とのつながりが孤独を癒すお薬になるようです。


【気温22〜26℃+湿度60%の環境が脳の働きを最大化してくれる可能性】

Influence of indoor air temperature on human thermal comfort, motivation and performance. 2013. Weilin Cui , et al.

 こちらの研究では、脳の働きが最も良くなるのは気温が22〜26℃の範囲内にあるときだと結論されました。

 また、湿度は60%前後くらいが望ましく、湿った空気も乾いた空気もどちらも脳の働きを悪くする傾向にあったのだそう。

 かんたんに言うと、ちょうどいい気温と湿度が脳の働きを最大化してくれるようです。



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【あなたへのお礼とご挨拶♡】


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性転恋譚〜朝起きたらTSしちゃってた私ですが、かわいい幼なじみと純愛してもいいですか?〜 Kasumi Gugure @KasumiGugure

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