第6話 配合して模擬戦に備える

 クラリスに模擬戦を申し込まれた翌日。

 俺はというと、二日後の模擬戦に備える為、4に、『配合の間』に訪れていた。


「フォーム先生、今日も配合お願いしま~す」


「おや?ヒスイ君また配合に来たのかい?」


 『配合の間』にいる先生、フォーム先生。彼は学園専属の配合士である。

 モンスターを配合するにはこの先生にお願いする必要がある。


「今日は何を配合するのかね?」


「今日もスライム2匹を二回配合してください」


 さっき言ったスライム4匹を配合に出す。これで目標のモンスターのまで完成する。


「またスライムかい?スライム同士配合してもただのスライムになるんじゃぞ?」


「へっへっへ、そう言っていられるのも今のうちですよフォーム先生」


 不敵な笑みを浮かべる俺に「そっか」みたいな呆れた顔で見つめてくるフォーム先生。ふっふっふ~、早く驚いた顔がみたいぜ。


「…まあええか、どれ、早速始めるかのぉ」


 そう言ってすっと両手を上げてスライム2匹に手を向ける。すると俺のスライム達が光り輝き始めた。


「『二つの魂よ、円環の理に導かれ、ひとつの器に宿れ。古の契約により、いま此処に新しき命を顕現せよ!』」


 2匹のスライムが吸い寄せられ、重なり合う。

 瞬間、室内が光に包まれる。

 そして、徐々に光の粒子が散っていき、光が収まる。そして出現したのは──


『ぷるぷる(ちょっと野太い)』


「よし来た!『ビッグスライム』!」


 デケェ!俺の身長(170cm)よりちょっと小さいくらいだけどスライムにしては巨大だ。


「『ビッグスライム』か、まさかこんな方法で生み出せるとは…。ヒスイ君、どこで知ったんだい?」


「いや、え~っと、スライムの研究をちょっと…」


 前世で知りましたなんて言えるわけがないので、ちょっとお茶を濁す程度に。


「そんなことより、続き。続きをお願いしま~す」


「はいはい。そういえばじゃが、お主、公爵令嬢様に模擬戦を挑まれたんだってな」


「え?もう広まってんの?その話」


「学園中の噂じゃぞ。なにせ“スライムバカ”に公爵令嬢様が模擬戦を申し込んだ、なんて前代未聞じゃからのぉ」


「…マジか」


 なんかどちゃくそ面倒なことになってるやんけ。

 噂好きの生徒達の情報網、恐るべし。


「ほっほっほっ、まあ儂はヒスイ君を応援しとるよ。それでもう2匹のスライムを配合させ、2匹のビッグスライムとメタルスライムで挑むのかね?」


「う~ん…そうなるかなぁ」


「…なんじゃと?」


 フォーム先生の目がまん丸になる。


「まあ多分間に合うと思います。それよりも配合、お願いしますよ。終わったらすぐレベリングしたいので」


 どんどん強化していかないとだからな。

 これが終われば例の目標のモンスターができるはずだし、模擬戦で良い勝負になるはず。

 その為にもさっさと終わらせよう。

 皆の驚く姿が楽しみだぜ。

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