第2話 契約モンスターは…めたる?

「何が出るかな~?珍しいスライムでありますように」


 祈れば通じる。その思いを胸に紋章の中へ踏み入れた。

 さてさて、頼むからスライムであってくれ!お願いします神様女神様仏様!


紋章が輝き光を放つ、俺の前に集束して出てきたモンスターは──


『…ぷるぷる』


 拳大の、金属質のスライムですと。


「……め、めたる?」


 静まり返る儀式場。やがて。


「『メタルスライム』か、防御と素早さが凄く高いと言われているな」


「倒せば経験値が美味しいEランクモンスターだわ」


「苦労することだろうな、彼」


 同情と憐憫れんびんの声が次々と上がる。

 だけど俺は違う。なぜかというと。


(めちゃくちゃ育てた記憶があるなぁ、いや~懐かしいぜ)


 メタルなスライム系モンスター『メタルスライム』は最強のスライムを生み出すための基盤そのもの。これはとてつもなく幸先が良い。良すぎる。

 出現エリアは知ってはいるが契約成功率が低いから助かったぜ。まあもっと捕まえないといけないんだけどね。


「まあこれから頑張りたまえ、ヒスイ君」


 先生が俺に励ますように話しかけてきた。


「ありがとうございます。で問題ありません。いずれ最強にしてみせます!」


 ありがとう神様方、俺はこの世界で楽しく過ごせそうです。


「…そうか、面白い。期待しているよ」


 よ~し、まずは育成方針を考えないとだな、悩む悩む。

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