対極の愛「支配」と「尊重」。緻密な伏線回収と深い人間ドラマが光る傑作

生贄として捧げられた自己評価の低い少女・蝶子と、彼女を不器用に守り抜く白蛇神・氷雪様の物語。

最初はほのぼのとした溺愛ものかと思いきや、中盤から怒涛の展開と伏線回収が押し寄せ、一気に引き込まれます!

特に素晴らしいのは、物語の根幹にある「愛の対極」の描き方です。相手の心すら無視して自分の物にしようとする「支配」と、己がボロボロになってでも彼女の意思を「尊重」し、守り抜こうとする自己犠牲的な愛。同じ「孤独」から出発し、ヒロインの「温もり」に執着した者同士なのに、その愛の形が見事なまでに対極に描かれています。「執着が人ならざるものにする」という狂気と、そこに至るまでの悲しい経緯も丁寧に描かれており、単なる勧善懲悪ではない深い人間ドラマに激しく胸を打たれました。

そして、緻密な伏線回収には何度も驚かされます!

・幼い頃の何気ない「夢」が、のちの出逢いに繋がる細やかな設定
・氷雪様の「ある行動」や「神力欠如」に隠された、切なすぎる真実
・無邪気な十三人の童子たちが抱える過去
・ずっと昔から繋がっていた因縁散りばめられていた謎

これらが、一本の線に繋がった瞬間の鳥肌はたまりません。

シリアスで手に汗握る展開だけでなく、お節介な大鷹の「いたす」という絶妙なからかいに、普段クールな氷雪様が本気で狼狽するような可愛らしい日常シーンも最高のスパイスになっています。

ダークファンタジーとしての恐ろしさ、緻密なストーリー構成、そして不器用で真っ直ぐな純愛。
すべてが詰まった、心からおすすめしたい作品です!

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