第一話 悲しきアジサイの咲く梅雨の時期

私の名前は結花、高校3年の受験生だ。といっても勉強しているわけではない。なぜなら両親とも働いているはずなのに我が家の生活費はカツカツなの。だから私は学校から帰ってすぐコンビニバイトに行って休みの日は内職してなんとか賄っている。

そんな私にも好きな人はいる。幼稚園からずっと一緒にいてくれる悠真(ゆうま)。すごく優しくて誠実な人なの。付き合わなくてもずっと隣にいれたらなと、思っていた。


ある日、バイトから帰ってきたら両親に呼ばれた。


「結花、もうすぐ18歳になるんだな。」


「え、、、まぁそうだけど」


「お父さん、そろそろいい頃合いじゃないかしら。」


「そうだな。結花、お前にお見合い相手を見つけてきた。その人と婚約し、次の春で結婚しろ。」


「・・・なに冗談言ってるの?」


「冗談じゃない、これは決定事項だ。」


「あー、楽しみだわぁ。結花のウエディング姿みられるのが!」

 

この人たちは何を言っているのか?正気か。


「まって、なんで勝手に決めるの!私はまだ結婚したくない!」


「うるさい!このばか娘!」


「・・・・っ。」


殴られた。うそでしょ。 こんなことあるのか。


「お父さん!やめてください、顔に傷ついたらこの婚約に響きますよ!」


母もなに言ってんだ。なんで・・・。どうして・・・。


私は泣くしかなかった。もうこの人たちを止められない。


「来週お相手と顔見合わせがある。それまでに身なりを整えておけ。」

そう言い残し、両親は部屋を出ていった。

 

 お願い・・・だれかたすけて・・・・・。


私の涙と叫び声は外の梅雨の雨によってかき消されていた。

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