ひょんなことから、同じ学校に通うリリーを乗せて遠くマンチェスターまで行くことになったローガン。それは突如始まった凸凹ティーンズ・ドライブ。
二人は夜のハイウェイを駆ける。あのクソッタレ元カレを殴りに行くために───
人種も性別も性格もまるで違う初対面の二人は、お互いを思いやれない。ローガンがX軸ならリリーはY軸ではなくZ軸であり、二人の軸は垂直にも平行にもならない。二人はそれぞれの人生を移動する点Pであり、重なることはない。
だがこのハイウェイは二人の点を、軸を無視して直線でつないだ。ブリストルからマンチェスターまで一直線、日産キャシュカイは惑わされずに真っすぐ進む。X・Y・Z軸のどれとも垂直・平行にならないおかしな方を向いたその道を二人は爆走する。パトカーが追って来てもブレーキを踏むことはない。
このドライブの解はただ一つ、マンチェスターにいるそいつを殴りに行くためだった。
だがその道中で、いつの間にか別解が用意されていた。スピード違反でとっ捕まった二人への警察官の問いに対して、ローガンとリリーが見つけた答えをあなたも確かめてみてください。
いわゆる美徳や良識とは“従う”ものではなく、ましてやママに言われたからでもなく、すべて自分の意志で“選び取る”こと。リリーとローガンの真っすぐかつ軽妙な会話劇が粋でカッコいいです。
「持つものの不幸を認めないのってさ、持たないものの幸福を認めないのと同じじゃない?」
あなたも是非、後部座席から二人の会話をそっと盗み聞きしてみてはいかがでしょうか。
ただし、バレたらハイウェイのど真ん中に容赦なく放り出されると思うのでご注意を。