第3話 居場所

そんなこんなで掲示板ではいちゃついてる俺たちが繰り広げられていて、流石に場所を変えようということで今で言うXに移行した。

LINEや、他のSNSで繋がらないということはお互いどこか一線を引いていたのだろう。


共依存とは言いつつ、俺は君のことを何も知らなかった。簡単な事しか。

君も同じだったと思う。この不安さがある意味刺激的に感じて依存性を高めていたのかもしれない。


その後俺は大学へ進学して目の前の娯楽に引っ張られて行った。返信のペースはもちろん遅くなっていった。別で満たされ始めていた。

一人暮らしを始め、バイトや課題に追われ居酒屋に行って朝まで呑んで、、etc


限りなく優先度が低くなっていった。

俺はそれが当たり前だろうとも思った。君にも別のコミュニティが新しくできている、もしくは既にあるのだろうと思っていた。この狭い空間にだけ囚われているわけではないだろうと。

俺以外にもいるのだろうと。

俺がそうであったように。


間隔はどんどん空いていった。


でも君は毎日、それでも毎日俺の名前を呼んでいた。


だから俺は思ったんだ。この子は絶対俺から離れない。ずっと傍にいてくれる、って。


初めのうちは焦って返信してはいたけど、その感情ももうなくなり、放置して見ては安心しながら愛を囁いた。


誕生日をいつもお祝いしてくれていた。でも俺は見ようともしなかった。その考えがなかった。それでも毎年おめでとうと言ってくれていた。俺は君に誕生日おめでとうと伝えたことはあっただろうか。


出会ってからもう数年が経った。

俺達もいい歳だ。


君の年齢ももう覚えていない。

同い年だった気がする。

君が嘘をついていなければ。



そして君は姿を完全に消した。

だから俺は書かなければいけないと思った。

書いてインターネットの海でこの事実を解き放ってもう楽になりたいと思った。


仮に君が幸せなら俺はそれでいい。

一番最悪なのはこの世に存在しないこと。

好きな人ができて、その人と歩み始めてるなら俺は安心できるだろう。

もしくは頼れる仲間ができて、俺なんか必要なくなったならそれも安心できる。



でも少し、君との繋がりが無くなって、不安な自分と安心した自分がいた。

よく分からない感情だった。


もっと俺が大人であったらきっとこうではなかったんだろうな。



元気なら、幸せならそれでいい。

これを茶番と捉えてるのかそうでないのかはどうでもいい。

大切な人との別れはいつだって辛い。

最後に君は俺に何を言い残して消えたのか、

それを気にするのは烏滸がましいことだ。


俺は元気だし仕事も頑張っているよ。

君もそうであればいいなと。

ちゃんと寝てちゃんとご飯を食べてちゃんと休んでしぶとく生きていてね。



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