場違い

場違い

　場違いな所にいると、消えたくなる。それは幼い頃から変わっていない。どんな場面であっても、それが現実でなくても、私はいつも消えたがっている。小説投稿サイトでは、どれも内容が純粋で、乙女な恋愛ばかりで、ホラー小説でも、トラウマを植え付けようなどとしてくれない。私は、乙女のように純粋な心も無ければ、穢れきっている訳でもなく、ただ、私の歪な世界を誰かに味わって欲しいだけなのだ。私らしい世界があれば、それだけで充分なのだが、小説のこととなると、矢張り承認欲求が働くらしい。これがどうも煩わしいのだが、皆が穏やかな小説を書いているため、私は場違いで、とても見せられたものではない作品ばかりで、心を酷く締め付けられるような気さえする。私は、どうしても、そのように人を不快にするような、穢らわしい、気味の悪い小説ばかり出来上げてしまう。