メーロン伯爵
3日に1度の間隔でカインはアベル王子の元へやって来るようになりました。
王子はその日、カインがやってくるのを心待ちにして朝から大層ご機嫌でございました。
カインが“白くてふわふわのパンをお袋に食べさせてやりたい”という変わったことを言っていたのでアベル王子は厨へと向かいます。
謁見の間の前を通りかかった時、男の大きな声が聞こえてき ました。
王子がおっかなびっくり中を覗いて見ますと、そこには軍の要職に就いておられる若きメーロン伯爵が国王に激しい剣幕で対しておられました。
「陛下は間違っておられる! 今のままでは民の心は陛下から離れていくことでしょう! 民は貴方様の玩具でない、人間なのです!」
メーロン伯爵は国王にピシャリと言うと、踵を返し大股で歩き出します。
アベル王子は柱の影に隠れて伯爵が行ってしまうのを待ちましたが、嫌な予感がしてなりませんでした。
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