第3話:支払い

今日は急遽先輩に、バーに誘われた。

バーといっても、チェーンでそこら辺でよく展開されているバーだ。


注文はカウンターに直接行って、都度支払うタイプだ。


「田中―。今日は俺の驕りだから好きなだけ食べろよー。だから、俺の愚痴を聞いてくれ。」


面倒だが、この店の食べ物は美味しいので我慢した。


先輩は随分と強い酒を飲んでいる。

俺もそれなりに強い酒を飲むことにした。飲んでいないと疲れるからだ。


そして、愚痴を聞くものだと思って構えていたのに説教がスタートした。

え、嘘だろ。説教かよ。

まぁ、驕りだし我慢するか…。


2時間くらい無になって説教を聞いていた。長々と我慢した俺は偉い。誰か褒めてくれ。

そして帰ることに。


すると…


「田中、今日は〇円でいいぞ。」


え?奢りじゃないのか?


「何、奢ってもらえると思ってたのか?甘えんじゃねぇぞ。」

俺の感情が表情に出てしまったらしい。


は、はぁ…

奢りだと思っていたから、手持ちをあまり考えないで頼んでいたので、焦った。財布を見たら、足りているので、助かった。

不服ながらも支払った。


そして、翌朝。

「おはよう!昨日はいつ仕事終わったんだっけ?気が付いたら寝てたんだー。」


あぁ、そうですか…。

飲みに行った事実まで忘れているようだ。


「俺は先に終わったので、先輩がいつ終わったかは分かりませんよ。」


これは事実。

俺のほうが確かに先に終わっている。少しコンビニによる用事があったので、ビルのロビーで待ち合わせしたのだ。

だから、大体いつ終わったかは分かるが、厳密には知らない。


金の話は、ややこしくなりそうだから言わないが、強い酒を飲んでここまで記憶が飛ぶなら、禁酒をお勧めしたい。

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2025年12月23日 10:00
2026年1月6日 10:00

今日の先輩 大谷結実 @Yumi-otani2025

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