第37話 創られた天使
夏休みが明け、いつものように学校に向かう僕と静だ。ちょっと八ヶ岳さんに会いづらいが、いつもの場所に行くと、
「おはよう。啓介君。静さん。」
「八ヶ岳さん、おはよう。」
「おはようございます。茜ちゃん。」
普通に会話できる。夏祭りでも気にしたが、うちの母親がした事だから、記憶は書き換えられてる。
そのまま学校に向かった。
そして、皐月さんと出会った。
「おはようございます。雨塚先輩。静先輩も。」
と挨拶して来た。だが、静はそれを無視して、学校に行ってしまった。
「何かあったんですか?静先輩は、、、」
と皐月さんも首をかしげる。
「まぁ、いろいろあってね。機嫌悪いみたい。」
そう誤魔化して、僕達も学校に行った。
そして、校舎に入る前に八ヶ岳さんが、
「帰り、用事があるから、啓介君手伝って。」
「いいよ。」
珍しい。八ヶ岳さんが帰りを誘うなんて、、、と思い、オッケーの返事をした。
学校の時間が流れて行く。残暑が続く中、静は一体どういう気持ちだろうか?やはり、天使と言う存在は寿命ではなく、役割の為に創られている存在なのだろうか。きっと、静は気が気じゃないのだろう。あっという間に帰りの時間になり、八ヶ岳さんの手伝いをした。
「ゴメンね。啓介君。どうしても一緒に帰りたくて、、、」
いよいよ言われるのか、心の準備をした。
「良かったら、友達以上の関係になれないかな?私は魔族のクォーターだけど、もう、分かってるんでしょ?雨塚君達には、、、」
「分かっているけど、このまま友達をもう少し、続けられないかな?ちょっと問題があって、僕にはやらなきゃいけない事があるんだ。」
「そっか。静さんの事?」
「そうだよ。八ヶ岳さんには隠し事できないね。」
と言って、現在状況を話した。
「そんなことがあったんだ。納得したよ。だから、啓介君は啓介君の役割があるんだね。静さんの事は具体的にはどう思ってるの?」
「分からないけど、とにかく今の日常は壊したくないんだ。琴音や母さんもいろいろ動いてるから、結局、何もできないかもしれない。だけど、静の為にできる事をしてみる。」
「分かった、、、そんな啓介君だから、私は大好きなんだよ。いつも一生懸命な啓介君だから、私も頑張れる!」
吹っ切れたような顔で満面な笑みを八ヶ岳さんは浮かべて、一緒に帰った。
そして、琴音と母さんにどうなるのか、具体的に聞きに行った。
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