第18話 雨塚 啓介の誕生日、帰宅後
みんなからプレゼントをもらった。正直、かなり嬉しい。そして、家に帰って、ドアを開けると、、、
「おかえりなさい。啓介。」「啓兄、おかえり。」
と母親と静が待っていた。
「誕生日おめでとう。啓介。」
と母親が言い、
「ありがとう。母さん。」
と僕は返した。
テーブルの上には料理されたいろいろな食べ物が乗っかっていて、もう、準備万端だった。静も豪華な料理を見て、早く食べたいみたいで、
「お腹減った。啓兄。」
と言われたので、
「お前の誕生日も兼ねてるから、先に食べていいぞ。」
と答えて、静は食べ始めた。そして、母親が
「そうだったわね。静も天使だから、誕生日ないものね。啓介は静との生活にも慣れたのね。」
と言い。
「まぁね。琴音と父さんは?」
「お父さんは仕事よ。でも、プレゼントは預かってるわ。琴音はそろそろ来るわよ。」
と言い、琴音がガチャンとドアを開け、
「啓介兄さん。遅れてごめんね。誕生日おめでとう。」
と言い、琴音が入って来た。そして、静、琴音、母親が揃った。
「みんなありがとう。」
僕はそう言って、静がいろいろと食べているところに僕も入って、食べ始めた。そして、琴音が、
「とにかく、プレゼントを渡すね。」
そう言って、琴音はさっそく、小包を渡してくれて、中を開けると高級そうなペンだった。母親も
「これ、父さんと母さんから、プレゼント。」
と言って、父さんと母親との共同のプレゼントを渡されて、中身を開けると、
「これって、香水?」
「さっそく、付けたら?」
と言われ、さっそく付けて見ると、柑橘系の爽やかな匂いだ。好みの匂いだ。
「それと父さんから、もう一つ。」
と言われ、渡されたのは、ミサンガみたいな手首に付ける細い紐だ。
「これは何なの?」
と聞くと、
「ミサンガみたいでしょ?これなら、学校にも付けて行けるでしょ?父さんが考えて、作ったの。少しはオシャレにしなさい。」
と母親に言われ、確かにこれなら目立たない。丁度、良いサイズだ。そして、静にも、同じような物を渡して、
「女神様。良いのですか?」
「ええ。いいわよ。」
「ありがとうございます。女神様。」
と静は食べるのをやめて、喜んだ。
そして、母親から、
「もう、17歳ね。啓介。」
と改めて言われ、母親が真面目に話した。
「実は、父さんの家系は雨塚と言う字だけど、本当は天の使いと書いて、天使なのよ。だから、天の使い人なのよ。」
「へぇ~、何か意味があるの?」
「魔王を倒した父さんはその当時は天使として、名乗ってたわ。でも、倒して、長年の悲願の役目を終えたから、雨塚にしたのよ。そして、魔王を倒すのに、協力した私と結婚したのよ。」
「そうなんだ。何か時代を感じるね。」
「そうね。でも、啓介にも父さんと同じ血筋が流れているし、何か力が流れているから、何かの弾みでいきなり暴走しないように、その紐の腕輪がきっと助けになるわ。」
と言われ、名字の意味を知り、腕輪をくれた意味を知った。そして、母親は続けて、
「静のは琴音の天使としての使いもあるけど、家族の証として、同じような物を用意したのよ。」
と言い、静は
「女神様。私を家族として、扱い下さって、ありがとうございます。女神様から頂いた物を大切にします。」
と母親に礼を言い、また、静は食べ始めた。
「硬い話はこれまで!ケーキもあるから、食べましょう!!」
と言って、皆で食べた。そして、琴音と母親が帰り、学校で八ヶ岳さんと皐月さんから、もらった物を開けると、
八ヶ岳さんはハンカチに刺繍で【雨塚 啓介】と刺繍がしてあった。
そして、皐月さんがくれたラッピングされた箱を開けるとシルバーのオシャレなネックレスだった。これはプライベートのオシャレに使える物だなぁ。と思い、箱に締まった。
そして、八ヶ岳さんのクッキーを静と食べると、とんでもなく美味しかった。さすが、「料理落としの八ヶ岳」と言われるだけあって、美味しいクッキーで、その日、幸せな誕生日は終わって行った。
しかし、まだ、この誕生日プレゼントで、八ヶ岳さんと皐月さんの段々強くなる想いに気づいていない僕だった。
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