第13話 啓介への各々の想い。
学校の帰り、八ヶ岳さんと出門さんが一緒に帰っていた。僕は八ヶ岳さん達に、
「八ヶ岳さんと出門さんは帰り一緒なんだ。仲良いね。」
と声をかけた。
すると出門さんが
「凄い何かを感じる。雨塚君だっけ?あなた本当に何者?」
「???、普通の高校2年生だけど、、、」
そして、八ヶ岳さんが、
「そういえば、雨塚君の家って何か特殊だよね。静ちゃんとの二人暮らしなんて、、、」
「ああ、静は俺に懐いてるからね。一人暮らしするなら、どうしても付いていきたい。って三日三晩、泣いちゃってさー。それで、俺が家族にちゃんとするから、静は俺と暮らすって、何とか両親と琴音を説得したんだよ。」
と言い訳だが、上手く通じた。
しかし、出門さんが僕の事を見ていて、何か視線が痛い。そして、丁度、皐月さんが来て、
「珍しい組み合わせですね。雨塚先輩。」
と言って来た。そして、出門さんを見て、
「出門先輩ですよね?凄い美人さんが転校して来たって、1年生まで話題になってますよ。」
と皐月さんが言うと、
「そうなの?あっ、私、買い物をしなきゃいけないんだ。八ヶ岳さん、雨塚君、御免なさい。うっかりしていたわ。」
と言って、出門さんは駆け足で帰って行った。
「けっこう、忘れん坊さんなのかしら、出門さんは、、、」
と呑気な八ヶ岳さんだった。出門さんが魔王の娘とは知らないので、無理はないが、、、
そして、皐月さんが言った。
「八ヶ岳先輩って、雨塚先輩の事好きなんですか?」
突然、皐月さんが言って、八ヶ岳さんは顔を真っ赤にして、
「えっ、そんな事、、、ないよ。」
ちょっとうつむいてしまったので、皐月さんが
「すみません。冗談です。私はバイトがあるので、失礼します。」
と言って、去って行った。
そして、僕と八ヶ岳さんが二人になり、、、
「帰ろう、八ヶ岳さん。皐月さんの言った事は真に受けない方がいいよ。からかっただけだよ。バイト先でも、よくからかわれるんだ。」
と言い、八ヶ岳さんは
「何だ、からかってただけなんだ。そ、そりゃそうだよね、、、雨塚君優しいし、、、」
何か急に考えてしまい、そのまま帰路に立って、それぞれの家に着いた。
「ビックリした〜。皐月さんは、雨塚君が好きなのかな?」
とお気に入りの動物の人形を抱きしめて、ベッドに横になった。しかし、八ヶ岳さんも皐月さんも雨塚 啓介への何かを想う感情は各々に持っていた。
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