第6話 静の休みの一日

 今日は学校も休みで、アルバイトがある。朝起きて、静に伝えた。そして、ご飯を食べた静が


 「今日は茜姉ちゃんと暦が来る。三人で服の買い物に行く!!やはり、女の子はオシャレが好きだ。」 

 と言った。

 

 「お金は?」


 と言うと、通帳を見せられた。そしたら、何と、スゲー稼いでいる!!俺よりもはるかに稼いでいた!天使の仕事は危険な事が多いので、給料も良いらしい。まぁ、あの原田先輩の事を考えると自然なのかもしれない。

 普段の格好を見ても、天使だけあって、小学2年生でも、かなり凝った服装をしている。

 

 「ショッピングモールのブランド店に行くからね。啓兄!帰りは啓兄の店で三人で食事に行っていい?」


 「それは良いけど、何故ブランド店何だ?」


 「天使はやはり、見た目や着ている服装から神々しさを出さないとな!だから、ブランド物に身を包めたいのだ!」


 と言って、着替えをする。静は着替えをする時は、必ずトイレか風呂場に行って、着替えをする。

 100年生きてるから、やはり恥じらいという物を大切にしてるみたいだ。


 そして、インターホンが鳴り、八ヶ岳さんと暦ちゃんが来て、静は行ってしまった。


 「さて、俺もバイトに行かないとな!!」


 と独り言を言って、アルバイト先に行った。原田先輩の代わりに1年生の皐月さんがアルバイトに来ていた。

 店長に

 「皐月さんって居ましたっけ?」


 「前から働いてたじゃないか!!大丈夫か?疲れてるんじゃないか?」


 「いえ、大丈夫です。」


 と言い、天使と女神の力だな。ってすぐに分かった。皐月さんはほとんど無口だが、1年生ながら、凄く仕事ができている。俺も負けていられないな。と思って、しっかり仕事していた。

 そして、休憩時間になり、静達が大きな袋を抱えて、店に来た。

 「啓兄!せっかくだから、ご飯食べよう!」


 「ああ、丁度、休憩時間だからな!うちの店でいいか?」


 と言って、八ヶ岳さんと暦ちゃんを交えて、食事にした。


 「静ちゃんは凄いオシャレでビックリしたよ。」


 八ヶ岳さんはそう言って、静の買い物の話をしてくれた。一方、静はたくさんご飯を頼み、みんなでシェアしながら、バクバクと食べている。


 「静ちゃんは学校でも人気者なんです。転校してきて、すぐに学校の中では噂になりましたよ。」


 「へー、そうなんだ。この静がねー。」


 と暦ちゃんが言って、バクバクと食べている静に目線を移した。なまじ100年生きてるから、俺達よりも大人だし、精神年齢以外はちゃんとしているみたいだ。

 話を聞くと、ブランド店でかなりまとめて自分の物を買ったらしい。相当、お金を使って、八ヶ岳さんも手間取っていたみたいだ。


 「ごめんね。八ヶ岳さん。静は両親から甘やかされて、好きな物を何でも買っちゃうんだよ。」


 と苦しい言い訳をした。


 「啓介君は、そういうブランド物とかは静ちゃんみたいに買わないの?」


 「いやぁ、俺には両親は厳しくてさ。まぁ、社会勉強には丁度いいよ。静と琴音は女の子だから、両親は甘いんだよ。」


 と答え、納得してもらった。


 そして、休憩時間が終わり、


 「じゃあ、バイトがあるから!」


 と言って、静達も帰って行った。そして、俺もアルバイトに戻ると、皐月さんが


 「雨塚先輩の彼女さんと妹さんですか?」


 「いや、妹を面倒見てもらって、今日は八ヶ岳さんにたまたま空いてたから、頼んで買い物に連れて行ってもらったんだよ。」


 「そうですか。なら、いいですけど、、、」


 と皐月さんは答え、皐月さんは僕の入れ替わりに休憩に入り、僕は仕事に戻った。皐月さんは何か言いたげだったが、静かに休憩室に行った。


 そして、アルバイトが終わり、家に戻ると、静がタグを切って、一人でファッションショーをしていた。


 「おお、啓兄どうだ?この妹の格好は?」


 とタグを見て値段に驚いた。かなり高額の物を買っていた。


 「格好は天使だけあって、可愛いのは認めるが、お金を消費し過ぎなんじゃないのか?」


 「私の唯一の楽しみだ。それくらい啓兄には分かってもらいたい。それに茜姉ちゃんに頼まないと怪しまれるからな。だから、まとめ買いをした。」


 と言って、買った服を何処かよく分からない、空間を出して、そこに入れていた。


 静の休みは食べる、オシャレ、後はぐうたらに寝る。その習性は分かった一日だった。


 

 


 

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