第5話 父親の突然の訪問

 昨日のドタバタな一日を終えて、次の日は平和な一日そのものだった。八ヶ岳さんやその妹の暦ちゃんが静に声をかけて、僕と静はそれぞれ登校して、原田先輩の存在もなくなり、新しく、1年生の原田先輩の2番手の人気に居た、皐月 奏(さつき かなえ)と言う子が原田先輩の代わりになっていた。


 「昨日のいろいろなドタバタから急な落差で平和だなー!!」


 「啓介君?忙しかったの?」


 「ああ、静が一緒に住んでるからね。」


 と落ち着いて、話をした。飯崎が


 「そろそろ、啓介の誕生日じゃねー?」


 「ああ、そう言えば、そうだな。」


 僕も17歳になる。いろいろあったが、高校2年生として過ごしながら、徐々に大人の階段を上がって行く。

 家族と一緒に住んでた時は、母さんがお祝い事が好きで、いろいろと、してくれた。

 今はもう、この歳だから、何もない。それに天使の静がいるから、静かに17歳になるのも悪くない。

 そうして、教室に入り、授業を受けて、家の帰路に帰っていた。

 

 家に着くと、父親が居た。珍しい。久しぶりだ。


 何か神妙な面持ちで静と話をしていた。


 「父さん、来てたんだ。」


 「ああ、そろそろ啓介も17歳になるからな。母さんから、大体は聞いてると思うが、うちは特殊な家族だ。それを分かって欲しくてな!天使の静もお前の様子を逐一に報告してもらって、父さんも安心だ。」


 「昨日は大変だったけどね。」


 「琴音もしっかりして来たからな!女神の仕事が板に付いて来た。母さんもそろそろ女神を引退すると言ってるから、琴音にはしっかりしてもらわないとな!」


 「琴音も大変だなぁ!琴音は大丈夫なの?」


 「ああ、大丈夫。母さんがいるからな。それより、啓介。お前の方が父さんは心配だ。」


 「何で?」


 「高校生は毎年が節目の時期だ。お前の体にも変化がいつ起こっても不思議じゃない。静を雇って、変調があったら、報告してもらってる。

 今のところは大丈夫そうだな。父さんの血筋は特殊だ。何かあったら、すぐに連絡してもいいからな。」


 「分かった。ありがとう。」


 「静と楽しく過ごせよ。」


 と言って、帰った。


 そう言えば、大人しく、静が黙ったままだ。何かあったのだろうか?


 「静?大丈夫?」


 「啓兄。お父さんが来て、何も感じなかった?圧力とか力とか、、、」


 「何も感じないよ。」


 「やはり血筋は凄い。私は絶対的な圧力で動けなかった。」


 静が父さんから力を感じて、動けなかったらしい。僕は何も感じなかった。 


 来月で僕も17歳だ。別に今の生活が嫌なわけじゃない。静も段々慣れて来るだろう。

 今日は平和に何事もなく、過ぎて行った。


 


 

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